シスメックスの前期、純利益15%減 増収も海外でサービスコスト増などで

20200512シスメックス決算

 シスメックスが12日に発表した2020年3月期の連結決算(国際会計基準)は、純利益が前の期に比べ15%減の348億円だった。検査試薬の販売増などで増収だったが、南北アメリカや中国でのサービス事業に関するコスト増などで原価率が悪化したのが響いた。外国為替市場で円相場が円高で推移し、為替差損が発生。さらに税負担率の上昇なども減益要因になった。

 期末配当は予定通り36円を実施し、年間配当は前期比2円増配の72円とした。

 売上高は3%増の3019億円、営業利益は10%減の552億円になった。国内と海外の全地域で円建て、現地通貨建てともに売上高が伸びた。ただ円高は売上高を118億円、営業利益を52億円、それぞれ押し下げたという。主な品目別の売上高は検査機器が1.8%減の812億円、検査試薬が3.2%増の1731億円、サービスが8.7%増の375億円だった。

 新型コロナウイルスの感染者の増加を受けて、新型コロナの感染者に対する検査の需要は高まったという。これ対応するため、新興国の一部などでは血液検査機器などの販売が増えた。だが、各国で都市封鎖(ロックダウン)の実施で、新型コロナ以外の患者への検査数が減少。新型コロナは同社にとって、通算ではマイナスの影響になるという。

 新型コロナの前期業績への影響は限られたが、電話会議システムを通じて記者会見した家次恒会長兼社長は、「始まった21年3月期の第1四半期にはかなり影響しそう」との見方を示した。同社は新型コロナの影響を中心に今期の業績を合理的に見積もることができないとして、業績予想の開示を見送った。

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