ワールドの今期、8期ぶり最終赤字60億円に 上期の臨時休業が響くも増配計画

20200507ワールド決算

 アパレル大手のワールドは7日、2021年3月期の連結最終損益(国際会計基準)が60億円の赤字(前期は80億円の黒字)になりそうだと発表した。同社の最終赤字は13年3月期以来8期ぶりになる。15年3月期に国際会計基準を導入してからは初めてだ。新型コロナウイルスを巡る政府の緊急事態宣言を受けた臨時休業で、上期の収益減が響く。下期にばん回するが補い切れない見通しだ。

 上期が不調の見通しとあって中間配当は見送る。ただ、下期には現金収支が改善することもあり、期末に配当金を集中させることで年間では59円配と前期比6円の増配を予定する。

 売上収益は16%減の1990億円、営業損益は71億円の赤字(前期は123億円の黒字)を見込む。新型コロナの影響で4月30日現在、国内直営店2473店舗のうち、2227店舗が休業している。同社が運営する大規模イベントなどもすべて中止した。4月後半に入ると日次の既存店売上高は前年比90%減を下回る水準で推移。6月から営業再開を想定しているが、客足の回復は段階的になるとみている。

 店舗の臨時休業を受けて、従業員には4月と5月にそれぞれ5日ずつ一時帰休日を設定。給与の80%の休業手当を支給することを決めた。一時帰休は本部勤務者も対象。取締役とグループ執行役員の4、5月の月額報酬も10%減額する。

 同時に2020年3月期の連結決算を発表。純利益の80億円は前の期に比べて13%の減少。ブランド事業で下期に暖冬などで販売が伸び悩んだうえ、新型コロナの影響も大きかった。デジタル事業はシステムはM&A(合併・買収)など先行投資の費用も影響した。売上収益は5%減の2362億円、営業利益は17%減の123億円だった。

 あわせて三井住友銀、三菱UFJ銀、みずほ銀を借入先として総額300億円の当座貸越契約を設定したと発表した。20年5月から1年間の予定。従来から結んでいるシンジケートローン契約による409億円のコミットメントライン枠と合わせて、手元流動性を手厚くした。新型コロナを受けた市場環境の急変などにも柔軟に対応できるようにする。

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