スパコン網「HPCI」も新型コロナ研究に投入 抗ウイルス薬探索など採択

 新型コロナウイルス感染症対策の学術研究に、文部科学省が整備を進めているスーパーコンピューターのネットワーク「HPCI」を投入する。全国の研究者が応募した研究のうち、抗ウイルス薬の探索や、正確なウイルス型同定のための方法開発など5件の採択が決まった。文科省からHPCIの運営を受託した代表機関である高度情報科学技術研究機構の神戸センター(神戸市中央区)が発表した。採択された課題は、2021年3月まで最大6カ月間にHPCIを無償で利用できる。

 HPCIは東京大や京都大など国立大を中心とした研究用のスーパーコンピューターを高速ネットワークで結び、1つのスーパーコンピューターのように利用するためのプロジェクト。もともとは神戸市中央区に配置され、昨年運用を終えたスーパーコンピューター「京」を中心としたネットワークだったが、「京」の撤去後も多様な需要に対応できるコンピューター網として活用されている。4月時点の性能は、浮動小数演算という桁数の大きな計算が1秒間に11京4000兆回ができる。

 採択された研究課題は以下の通り(カッコ内は件キュ課題の代表者、所属機関)▽COVID-19ウイルスのRNAポリメラーゼと阻害薬候補の分子動力学シミュレーション(奥村久士氏、自然科学研究機構分子科学研究所)▽COVID-19ナノポアシーケンスデータを用いた塩基修飾の詳細解析(上田宏生氏、東京大学先端科学技術研究センター)▽新型コロナウイルスの主要プロテアーゼに関するフラグメント分子軌道計算(望月祐志氏、立教大学理学部化学科)▽新型コロナウイルスのスパイタンパク質に関するフラグメント分子軌道計算(同)▽計算機解析によるSARS-CoV-2増殖阻害化合物の探索(星野忠次氏、千葉大学薬学研究院)。

 高度情報科学技術研究機構はHPCIを使った新型コロナ関連の研究課題を4月15日に募集開始。現在も募集を続けており、採択した課題は随時公表する予定だ。スーパーコンピューターを巡っては、「京」の後継機で開発中の「富岳」についても新型コロナ関連研究で試行利用すると発表していた。追加公表分も含めて富岳を利用する5件の研究テーマが、すでに決まっている。

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