アジュバンの今期、2期ぶり最終黒字を確保へ 理研との研究成果で下期に新製品

20200417アジュバン決算

 ヘアケア・スキンケア製品をサロン向けに製造販売するアジュバンコスメジャパンは17日、2021年3月期の連結最終損益が2億3100万円の黒字(前期は2億2700万円の赤字)になる見通しだと発表した。前期の減収要因になったキャンペーンの制度変更が販売代理店に浸透し、収益が改善する。さらに育毛効果に関する理化学研究所との共同研究の成果を活用した、スキャルプケア(頭皮ケア)製品を下期に投入するのが寄与する。年間配当金は前期据え置きの24円(中間なし)を予定する。

 売上高は34%増の62億円、営業利益は3億5700万円の黒字(前期は2億5300万円の赤字)を見込む。売上高は過去最高になる。分野別の売上高はスキンケアが24%増の21億円、ヘアケアが56%増の34億円、子会社で展開するクラウド型のサロン経営支援システムを中心とした「その他」は17%増の8億4200万円をそれぞれ見込む。半面、新製品の投入に伴う販促費の増加に加え、営業部員の強化による人員増で販管費も膨らむ見通し。

 2020年3月期の連結決算は、創業以来で初めての最終赤字になった。キャンペーンの制度変更による上期の収益減を、ばん回しきれなかった。ただ継続してきた年24円の配当は維持する。同社の製品を取り扱う理美容室・エステティックサロンなど「アジュバンサロン」の登録件数は3月末時点で7795軒と、19年3月末比で435軒増加した。

 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ目的で決算発表の記者会見を実施せず、代わりに松井健二社長は報道機関向けにコメントを配布。「シェアサロンやモールサロンという新しい形態のサロンが増え、集客力・販売力のある美容師が個人事業主やフリーランスとして働くケースが多くなっている」と指摘した。足元で中長期的な理美容業界の構造変化も新たな課題として浮上しており、順次対応する必要があるとの方針を示した。

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