久元神戸市長、ペーパーレス「市役所も学ばないと」 海外派遣の報告会を開催

20200328海外報告会

 神戸市の久元喜造市長(写真の右から4人目)は28日午後に神戸市内のコワーキング(共有)オフィスで開催した、若者を海外に派遣するプログラムの報告会で、自身が2016年にルワンダを訪れたことを振り返り「案内してくれた(首都キガリの)市長室は全く紙がない、完全なペーパーレスだった」と話した。「私の部屋はいまだに紙がいっぱい」といい、行政の手続きもペーパーレスが浸透していたといい「市役所も学ばなくてはいけない」と強調した。

 一方で報告を聞いて久元市長は、IT立国とされるルワンダの経済情勢について「やはり現実には政府主導だろう」との見方を述べた。「かつては日本もそうだった」と指摘したうえで、なおルワンダが経済発展の初期段階であるとの認識を示した。久元氏は「まず最初は政府主導で官業を興し、そこでスキルを得た人たちが自分たちで(民間向けの)ビジネスを始める(段階になる)と、神戸とのビジネスのマッチングも進んでいくだろう」との展望を語った。

 このためルワンダでは「都市部とそれ以外との貧富の格差も大きい」とも指摘。ルワンダに派遣した大学生の大下直樹さんと、高校生の山田果凛さんが考案した、ルワンダのアート「イミゴンゴ」をアクセサリーにして日本で販売する事業など、貧困問題の解決をめざす事業の重要性も強調していた。

 神戸市は、挑戦を志す若者の海外派遣を通じて、全国の若者に神戸との接点を持つ機会作りをねらう。今年度は今月7日までの2週間にかけてルワンダに14人、同日まで1週間に米シリコンバレーへと19人の学生らをそれぞれ派遣。今年度はルワンダにITや経済を得意とする記者3人を同行させた。

 発表会では前半に、米シリコンバレーへの派遣プログラムに参加した大島紅桃さん、森永窓花さん、野崎智弘さん、ルワンダへの派遣プログラムに参加した山田さんと大下さんに加え、永野理佐さん、渡辺大輝さんが現地での体験を報告した。後半は、ルワンダのプログラムに同行した記者の藤井涼・CNET Japan編集長、フリーライターの鈴木淳也さんと小島寛明さんに、久元氏が加わってパネル討論した。

 会場は神戸市中央区の「120ワークスペース神戸」だったが、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、一般の観覧者は募集しなかった。報告会の様子は動画共有サイトのYouTube(ユーチューブ)を通じて同時配信し、最大で50人強が視聴した。

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