(動画)川重、25年ぶり水中翼船「ジェットフォイル」着水式 神戸工場
- 2020/03/26
- 18:43
川崎重工業は26日、同社としては25年ぶりに建造している水中翼船「ジェットフォイル」の着水式を、神戸市中央区にある神戸工場内の岸壁で開催した。通常の船舶の進水式に相当する。船主である東海汽船の山崎潤一社長が新造船に「セブンアイランド結(ゆい)」と命名。内装工事などを進め、6月の引き渡しを予定する。価格は51億円。東京・竹芝から伊豆7島などへの航路に投入する。
ジェットフォイルは最高時速80キロメートル以上の高速性能と、揺れが少ない快適な乗り心地の両方を備える。2基のガスタービンエンジンで駆動する推進機から、毎秒3トンの海水を噴射。前後2枚の水中翼を使って、海面から浮上して海の上を飛ぶように進む。航空機のように内側に船体を傾けることで、高速旋回もできる。
国内では現在、6社が21隻のジェットフォイルを運航しているが、就航からの年数は平均で40年程度と船齢が上がっている。今後は2年に1隻程度のペースで受注が見込めるとして、川重は「高速船設計課」を復活させた。潜水艦など特殊船に特化する神戸工場にとっては、主要な製品の1つになる見込み。
25年ぶりの建造とあって、前回の建造を経験したOB10人から建造時の留意点などに付いて講義を受けた。今回は25年前に製造したジェットフォイルとほぼ同様の仕様で建造した。客室をバリアフリーに対応させるなどしたが、船舶としての性能はまったく変えていない。燃費の改善などが今後の課題だ。
着水式では水中翼を前方に跳ね上げた状態のジェットフォイルが巨大なクレーンでつり上げられ、ゆっくりと海面に浮かべられた。東海汽船の山崎社長は船名について、東京五輪・パラリンピックのロゴマークをデザインしたデザイナーの「野老朝雄(ところ・あさお)さんが名付け親」と明かした。「本土と島を結ぶ、人と人とを結ぶ」と由来を説明した。船体の色も野老氏が担当したという。
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