久元神戸市長、つながらない権利「条例に加え環境づくりも」 有識者が報告書

20200314つながらない権利

 神戸市の久元喜造市長(写真左)は13日午後、「『つながらない権利』に関する有識者会議」の座長である神戸学院大学の岡田豊基教授(同右)から報告書を受け取った。久元市長は「条例の制定ということだけではなく、リアルな社会の環境づくりについても考えたい」と述べ、子供も大人もネットから離れて楽しめる活動についても検討する意向を述べた。ネットを通じて人と交流を持つうえで「オンとオフを切り替える方策について、民間企業の意見を聞くとともに、条例制定も含め行政がどう支援できるか検討する」との方針も語った。

 足元では新型コロナウイルスに関連する情報など「緊急情報は(スマートフォンアプリの)ラインなどで常時共有している」としながらも、久元氏は「急がない案件まで休日でも部下にメールで指示する職員を目の当たりにして」、問題意識を持ったという。神戸市は大都市ながら、六甲山や里山地域のほか須磨や舞子の海岸など自然と親しむ活動もしやすい。このため常時接続できても「ネットに振り回されるのではなく、人間らしい暮らしができる環境を整えることが都市の魅力につながる」と考えたという。

 神戸市は条例制定の可否なども含め、今後の展開について2020年度に検討する。香川県が18歳未満に1日のゲームの使用時間を1時間以内とすることなどを盛り込んだ条例案を提示したことについて久元氏は「大変注目されている」と関心を示す一方で、条例でネットの利用を制限するなら「どうしてネットに対して規制が要るのか、という前提の議論が大事」との見解を示した。

 報告書ではスマートフォン(スマホ)を通じたネット接続が子供の遊びや勉強の時間の時間を奪い、大人は勤務時間外でも緊急でない仕事のメールを日常的に受け取っている現状を紹介。体を動かして遊べる公園や多様な趣味といった、学校や仕事以外の活動・人間関係を展開しやすい環境整備が、そうした現状を変える可能性が高いと指摘した。そのうえで条例などによるルール作りは、神戸市が「人間を大事にする都市」という姿勢を示すうえで意義があると結論づけた。

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