日経平均2万円割れ 神戸鋼、アシックスなど4割強下落・昨年末比の値下がり率
- 2020/03/10
- 00:31
9日の東京株式市場では日経平均株価が2万円の大台を約1年2カ月ぶりに下回った。神戸市に本社を置く上場会社の株価(9日終値)を、日経平均が2万4000円近辺と最近の高値圏で推移していた昨年末と比較したところ、最も値下がり率が大きかったのはスタジオアタオ(3550)で48.5%下落したことが分かった。上位に並んだ神戸製鋼(5406)やアシックス(7936)は今年に入って4割強下落した。
最も下落した、バッグや財布を販売するスタジオアタオは、今年に入って株価が半値近くに下落した計算だ。ネット広告の単価上昇や消費税率引き上げを受けた販売減などで、1月30日に20年2月期の業績予想を下方修正していた。足元の収益悪化を嫌気した売りに加え、さらに外出の機会が減るとバッグも需要が後退するといった見方も一部にあったといい、下値を探る展開になった。
このほか上位に並んだのは自動車関連だ。かねて米中貿易摩擦の影響で中国の景気が悪化し、中国を中心に自動車の販売鈍化が指摘されていた。神戸製鋼は自動車向けの鋼板需要が不振だったことなどで、今期予想の下方修正が相次いでいた。6位の三星ベ(5192)と8位のバンドー(5195)は、自動車向けにベルトを製造する。両社とも20年3月期は減益予想だが、相場全体の上昇につれて昨年12月半ばにかけて上値を試していた。
大型株も中小型株も幅広く売られたのが今回の株安局面の特徴だ。個別でみると売り材料は、必ずしも新型コロナウイルスへの警戒感だけではない。米株式相場の上昇に連動して、日本株全体が持ち上げられていた反動安、業績に見合った株価への水準訂正ともいえそうだ。9日現在で昨年末よりも株価が高い銘柄は47銘柄中、クラウドサービス「NET119緊急通報システム」が好調のドーン(2303)だけだった。
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