昨年の神戸マラソン、経済波及効果80億円 前回並み・兵庫県立大が推計
- 2020/03/07
- 04:18
兵庫県立大学の減災復興政策研究科は6日、2019年11月17日に開催した第9回神戸マラソンの兵庫県内への経済波及効果が約80億円だったと発表した。推計した結果は18年に開催した第8回の経済効果(80億6000万円)とほぼ同水準だった。応援・観戦者数の増加などで最終需要は全体として膨らんだ。ただ、ランナーや応援者の宿泊地が兵庫県外に流出したとみられ、兵庫県内の経済波及効果にはつながりにくかったとみられる。
神戸マラソン実行委によると、大会に参加したランナーが2万320人と前回比75人減、ボランティアが43人増の6851人、沿道などでの応援者数は1万人増の61万人だった。消費支出額はランナーが4億1000万円、沿道応援者が78億7000万円、ボランティアが2億円で、合計84億8000万円。これに周辺整備や維持管理などの運営関連比、事業費などを加算した最終需要額は91億9000万円と過去最高水準に膨らんだ。消費支出額はアンケート調査から1人あたり消費額を推定し、これに参加者数を乗じた。
ただ、最終需要額に計上したランナーや応援者の宿泊費である19億4000万円のうち、兵庫県内への需要は1億7000万円にとどまった。このため最終需要額が前回の84億8000万円から17%伸びたが、兵庫県内への経済波及効果が前回並みだった。
一方、沿道での応援者の居住地を地域別にみると、神戸市内でも大会を開催した近隣区の住民が割合が前回に比べて2%増加。兵庫県外の比率は3%強低下するなど、全体的に応援者の割合は比較的近くに住む人の割合が高まった。このため経済波及効果80億円のうち、神戸市内への効果は73億4000万円と、前回の71億3000万円から増加した。
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