シスメックスと神戸アイセンター病院、目のゲノム医療に向け包括連携契約

20200305神戸アイセンター病院

 シスメックスと神戸市立神戸アイセンター病院(神戸市中央区、写真=神戸市提供)は5日、目の難病である「遺伝性網膜変性疾患」について、ゲノム医療の知見を活用して治療法の開発をめざすことで、包括連携協定を結んだと発表した。眼科専門の高度医療を提供する神戸アイセンター病院が持つ遺伝子診断などの研究の蓄積と、シスメックスが持つゲノム解析などの技術で、まずは診断や治療などに必要な遺伝子検査を臨床で活用できるようにする。

 神戸アイセンター病院は、神戸市立医療センター中央市民病院の眼科を母体として2017年12月に開業。国家戦略特区プロジェクトとして、iPS細胞を使った世界初の臨床研究になった網膜治療を実施した。再生医療の早期実用化などをめざして基礎研究、臨床応用、治療、リハビリ・生活復帰支援までを一気通貫で担う眼科専門病院だ。同病院にも所属してiPS細胞を使った治療を手がける高橋政代氏も、今回のシスメックスとの連携に研究者の1人として参加する見通しという。

 シスメックスは、がん細胞の遺伝子を調べて患者ごとに最適な治療法を探る「がんゲノム医療」で必要になる検査が、中外製薬と並んで日本で初の保険適用を受けた。今回の神戸アイセンター病院との連携でも、子会社の理研ジェネシスや、オックスフォード・ジーン・テクノロジー(英オックスフォードシャー州)が持つ、体外診断用医薬品やゲノム解析の開発に関するノウハウを活用する見通しだ。シスメックスと神戸アイセンターとの包括連携契約は2月中に結んでいたという。

 高橋政代氏はシスメックスの社外取締役も務める。シスメックスによると、今回の包括連携契約には研究開発の費用などに関する規定もなく、両者間の取引も発生しないことなどから、高橋氏の社外取締役としての独立性には影響しないとしている。

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