駐日トルコ大使、神戸市に外国人墓地の拡張を要請 久元市長は調査の意向
- 2020/02/29
- 02:46
ハサン・ムラット・メルジャン駐日トルコ大使は28日、神戸市役所で久元喜造神戸市長と会談し、神戸市北区にある外国人墓地の拡張を要請した。メルジャン大使は外国人墓地について「美しく保たれていることに感謝申し上げる」と述べた。そのうえで外国人墓地のイスラム教区画はすでに満杯で、神戸市在住のイスラム教徒が死去した際は東海地方など、他の地域で墓地を確保する必要があると現状を説明した。
久元市長は「トルコ以外のイスラム教徒のみなさんにとっても、大事な問題だと思う」と応じた。そのうえで「まず実状がどうなっているのかというのを把握したうえで、どういった対応ができるのか検討したい」と述べ、現在の状況を調査する意向を示した。メルジャン氏は「場所を指定してもらえれば、イスラム教徒のコミュニティーが土地を買い取ることもあり得る」とも話した。
イスラム教では土葬が一般的ということもあり、火葬が主流の国内ではイスラム霊園の不足が深刻だ。神戸市の外国人墓地は、居留外国人だけが利用できると条例で決まっているが、歴史的経緯もあって神戸市はイスラム教徒の人口が比較的多い。メルジャン氏は、神戸在住のイスラム教徒が神戸市内で埋葬できれば、他地域のイスラム霊園の逼迫(ひっぱく)度が多少は緩和されるとみているもよう。
このほかメルジャン氏は神戸市内の小中学校とトルコ大使館との交流や、来日を予定しているオスマン軍楽隊の神戸でのパレードなどを提案。1890年に当時のオスマン帝国海軍の艦船「エルトゥールル号」が、現在の和歌山県串本町沖で遭難した際、生存者が多く神戸の病院に搬送された経緯もあり、経済や文化での交流を深めることでメルジャン氏と久元氏が改めて一致した。(写真は記念に菓子を交換するメルジャン駐日トルコ大使=右=と久元神戸市長)
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