カケン、海外規制物質を幅広く検査 神戸・六アイ「環境化学分析ラボ」開設
- 2020/02/11
- 01:45
(2020/02/14 10:00 見出しと記事の一部を修正しました)
繊維業界向けに製品の性能や安全性などを検査する一般財団法人のカケンテストセンター(東京都中央区)は、製品の環境負荷などを検査する「環境化学分析ラボ」を神戸市東灘区に開設した。欧米を中心とした海外で規制されている有害物質についても幅広く検査できる、国内でも随一の検査機関になる。海外販売をめざす国内アパレルメーカーなどが増えているのに対応した。従来は大阪事業所(大阪市西区)の一部だった機能を移転し、順次拡張を進める。
繊維業界ではSDGs(持続開発目標)の普及を背景に、製造過程で有害物質の使用を制限することを目的とした国際組織のZDHC(本部・アムステルダム)に加盟する動きが広がりつつある。これに合わせて国内では規制が進んでいないが、海外では使えない物質も増えている。だが、これまで海外だけで規制されている物質の検査は国内で難しく、海外の検査機関に依頼するケースが多かった。
一方で、海外の規制物質に対する検査の需要は今後も増加する見通しだ。カケンテストセンターが海外での規制物質を検査できる態勢を整えることで、国内メーカーは国際情勢に左右されずに商品開発を進められるようになる。足元では肺炎になる新型コロナウイルスの感染防止を巡って中国の経済が停滞した。海外に検査を依頼しないことで、こうしたカントリーリスクが回避できる公算だ。
環境化学分析ラボは、六甲アイランドのアジアワンセンター(写真=資料)に開設。1月29日付で事業を開始した。カケンの大阪事業所から自動車で30分程度と近く、検査室として使える機能と広さがそろった物件として、同ビルへ入居を決めたという。神戸市はオフィス等賃借型企業拠点移転補助制度の適用案件として、2019年8月21日付で家賃補助を決定した。
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