ネット利用、労使の合意形成など支援へ条例化視野 「つながらない権利」有識者

20200210つながらない権利

 神戸市は10日午前、「『つながらない権利』に関する有識者会議」(座長・岡田豊基神戸学院大教授)の最終回である第3回会合を開催した(写真)。同有識者会議でまとめる報告書には、勤務時間外も仕事のメールなどを部下に送り続けて対応を求める上司などの問題について、条例化も視野に入れながら、労使での合意を促す施策が重要であるとの見解を盛り込むことで一致した。今回会合の議論を踏まえ、あいさつした神戸市の久元喜造市長は「条例化する際は、神戸市の施策の方向性と、企業や市民といった(ネットを利用する)主体に対して行動を促すような内容になるのではないか」との見通しを述べた。

 議論では、委員として出席した兵庫県立大学の竹内和雄准教授が、教育の現場で「子供にスマートフォン(スマホ)の利用を制限する場合でも、親や学校が一方的に決めたルールよりも、子供と相談して決めたルールの方が守られる傾向にある」とのデータを紹介。学校でも会社でも、活動や事業の内容に応じて便利なスマホの使い方が異なることから、「つながらない権利」を確保する場合にも、「当事者らが相談してルールを決めるのが望ましい」として、神戸市が一律にスマホの利用時間などを規制しない方向性も改めて確認した。

 一方で、委員らの意見交換の中では、つながらない権利の背景には、本来であれば業務時間外であるにもかかわらず、部下に仕事を無理強いする上司こそ「仕事中毒」から解放するのも解決策ではないか、との指摘もあった。インターネット依存症などの治療を手がける病院も増えつつある中で、健康経営の観点からも「つながらない権利」に接近する方法がありそうとの見方も、委員らの間でおおむね合意していた。

 有識者の会合は、昨年10月7日に第1回、同12月25日に第2回を開催。今回までの議論を踏まえて年度内にも報告書をまとめる予定だ。神戸市は16年度に「『ポケモンGO』などスマホの進化が地域社会・地域経済に与える影響に関する有識者会議」を開催。その後の中学生によるスマホ利用の実態調査や啓発動画の作成、スマホを巡る市長との対話集会などにつながった経緯があった。今回の有識者会議は大人のスマホ利用をめぐる問題点の整理や、子供の問題の深刻化などを踏まえて設置した。

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