シスメックス、中国で検査機器600台を納入 3日までの2週間に

 シスメックスは1月20日〜2月3日の2週間に、血液検査を中心とした約600台の検査機器を中国の医療機関に納入したことがわかった。肺炎を引き起こす新型コロナウイルスへの感染者が増加しているのを受けて、血液検査の需要が高まった。このため新たに検査機器を購入したり、古くなった検査機器を買い替えたりする動きが広がっている。これだけ短期間に血液検査機器の需要が集中するのは珍しいという。シスメックスが7日、神戸経済ニュースの取材に応じて明らかにした。

 シスメックスが納入した約600台の検査機器のうち9割程度が、同社の主力製品である血球計数検査(ヘマトロジー)の機器だった。血液中の赤血球や白血球の数、大きさを分析することで、身体の異変を感知する検査方法だ。直接的にコロナウイルスを検出する検査ではないが、より重篤な患者を抽出したり、症状からの回復を確認したりするなど、幅広い目的で使われているもよう。

 中国政府は新型コロナウイルスによる肺炎の発生地である湖北省武漢市に、約10日間の突貫工事で5日までに2つの病院を建設し、合計で約2600床を増床した。このうち1つの病院にもシスメックスが検査機器を納入した。機種はヘマトロジーのほか、尿検査、免疫検査、血液凝固検査で、合計10台を納入。機器の設置には同社や販売代理店の現地社員が立ち会った。

 検査機器の設置が増えたことで、今後は検査試薬の需要も増加する見込みだ。ただ血液検査に使う試薬は平常時に使用するものと同じ。このため目先の需要増には、シスメックスの中国拠点や代理店が保有している在庫で手当できる見通しという。中国に2カ所あるシスメックスの試薬工場も10日から再開する予定だが、現時点で大規模な増産は予定していない。今後、生産計画を見直すかは、生産再開後の製品の出荷動向などを見てから検討する。


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