カルナバイオ、今期最終赤字18億円の見通し 創薬事業の売り上げ想定なしで

20200207カルナバイオ決算

 カルナバイオサイエンスは7日、2020年12月期の連結最終損益が18億円の赤字(前期は8億2800万円の黒字)と、2期ぶりの最終赤字になりそうだと発表した。医薬品候補のライセンス供与に伴う契約金や、研究開発が進展した際に受け取る一時金など、予想が難しい創薬事業での売上高は想定せず、同事業は費用だけを計上した。前期にあった米ギリアド・サイエンシズとの契約金などが、今期はなくなる。

 売上高は68%減の10億円、営業損益は17億円の赤字(前期は9億7700万円の黒字)を見込む。売上高は全額、キナーゼ(酵素)タンパク質の販売など創薬支援事業の想定。前期に大口の販売が複数あったことなどから、今期は慎重に見積もったという。一方、研究開発費は創薬事業が19億円、創薬支援事業が1億400万円を予定している。

 同時に19年12月期の連結決算を発表。売上高は前の期比3.3倍の32億円、営業損益は9億7700万円の黒字(前の期は11億円の赤字)だった。同社は1月9日に19年12月期の業績予想を上方修正していた。

 あわせて発表した22年12月期を最終年度とする中期経営計画では、特に目標の数値を示さなかった。創薬支援事業での収益や、創薬事業で獲得した一時金などを積極的に創薬事業に投入し、研究開発を加速する事業方針を改めて確認した。

 3月26日に開催予定の定時株主総会では、決算の承認などを求めるほか、監査等委員会設置会社への移行で定款変更も議決する計画。現在監査役の3人を監査等委員として取締役の構成員に含め、取締役会の監督機能を強化するのがねらい。このほか利益剰余金の欠損額を解消することなどを目的とした、原資の議決も予定する。資本金の一部を資本準備金などに振り替える。税金費用を抑制する効果もある見込み。

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