川重の4〜12月期、純利益48%減 航空エンジン伸び通期営業益のみ上方修正
- 2020/02/06
- 12:15
川崎重工業が6日に発表した2019年4〜12月期の連結決算は、純利益が前年同期比58%減の47億円だった。建機向け油圧機器の資材費や研究開発費が増加したうえ、中国でのロボット生産が減少したのが逆風になった。モーターサイクル&エンジン部門では、外国為替市場で円高・ドル安が進行した影響も目立った。エネルギー・環境プラント部門の一部で事業撤退費用が発生し、23億円の特別損失を計上したのも響いた。
売上高は4%増の1兆1354億円、営業利益は16%減の309億円だった。航空宇宙システムや鉄道の車両がけん引して増収になった。増収をけん引した航空宇宙システムでは、防衛省向けや民間航空機向けの分担製造品、民間航空エンジン分担製造品が増加した。車両では国内向けと米国向けの車両が増加。前年同期に発生した米国向け車両の一時費用が減少し、赤字幅も縮小した。船舶海洋では液化天然ガス(LNG)運搬船などの工事業が減少、操業度の悪化が響いて赤字を計上した。
2020年3月期の連結業績予想は、純利益が前期比9%減の250億円になる見通しを据え置いた。営業利益は6%減の600億円と、従来予想の560億円から上方修正した。民間機向け製造分担品のコストダウンや、民間機向けエンジン分担製造品の増収で、航空宇宙システムの利益が従来見通しよりも増える見通し。ただ純利益は、民間機向けエンジンに発生した運航上の問題に伴う負担金を積み増すことで据え置いた。同負担金は4〜12月期の営業外費用に約65億円を計上。売上高が4%増の1兆6600億円になる見通しも維持した。
業績予想の前提になる為替レートは対ドルで107円、対ユーロで118円とした。
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