高岡ネスレ日本社長、SDGs「課題解決を企業の戦略に」 本業に取り込み継続

20200204高岡浩三氏

 神戸市が4日に開催したシンポジウム「神戸SDGsパートナーズ創生会議」では、基調講演したネスレ日本の高岡浩三社長(写真)は、企業の社会貢献について「それ自体を戦略にしてこそ初めて継続的な価値づくりができる」と指摘。そのために必要なことは「顧客の課題を解決することだ」と強調した。顧客の課題解決が事業活動に組み込まれることで、事業活動や収益の拡大が社会貢献になり、その目標を示したのがSDGs(持続開発目標)だと説明した。

 高岡氏は、SDGsについてネスレ日本の親会社であるネスレ(スイス)のピーター・ブラベック・レッツマット名誉会長がCSR(企業の社会的責任)に代わる概念として発案した「CSV」(Creative Shared Value、共通価値の創造、本業での社会貢献)が元になっていると紹介。ブラベック氏が米経済学者のマイケル・ポーター氏とともに提唱し、その一種の評価指標(KPI)として考えられたのがSDGsだとする経緯を語った。本業によって社会貢献することで、企業の業績が悪化すると続かなくなるCSR(企業の社会的責任)の弱点を克服した形だ。

 一方で、かねて高岡氏がマーケティングで必要と主張している顧客の課題解決は「SDGs、CSVにも必要になる」という。「顧客自身が気づいていない課題や、顧客があきらめてしまっているようなことを解決したときのみにイノベーション(新機軸)が起きる」と述べ、画期的な課題解決は世の中を変えるほどの衝撃があることを説明。職場などの家庭外でコーヒーを飲む機会が増えたことに気づいて始めた、コーヒーメーカーを無料で貸し出す「ネスカフェアンバサダー」の仕組みは、高齢化した集落の安否確認を兼ねた「お茶の時間」に役立つといった新たな課題解決につながっていることも紹介した。

 今回のシンポジウムでは高岡氏の基調講演に続き、経済産業省近畿経済産業局通商部の高瀬幸子・国際化調整企画官が「関西SDGs貢献チャレンジ」と題して講演。さらに両氏とケンミン食品(神戸市中央区)の高村祐輝社長、兵庫県立大学の山口隆英教授、みなと銀行の服部博明頭取、神戸市経済観光局の平野敦司副局長が参加して、「できるところから、できるやり方でSDGsを始めましょう」をテーマにパネルディスカッションを実施した。

 シンポジウムの企画・運営は神戸市から、みなと銀行・りそな総合研究所共同企業体が受託した。18日と26日の2日間には、みなと銀行神戸駅前ビル(神戸市中央区)のビジネスプラザこうべで、参加者がSDGsの観点から課題解決型の事業プランを作成するワークショップも実施する。

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