川重、太平洋セメから排熱発電設備を受注 新型ボイラー国内初採用
- 2020/01/21
- 22:54
川崎重工業は21日、太平洋セメントからセメント製造時の廃熱を利用した発電設備の新設を受注したと発表した。同社の埼玉工場(埼玉県日高市)に設置し、発電出力は7850キロワット。年間で約2万7000トンの二酸化炭素(CO2)排出削減効果がある。排熱回収には川重が新たに開発した新型のボイラー「VEGA(ベガ)ボイラ」を国内で初めて採用した。(写真は中国ですでに稼働している「VEGAボイラ」=川重提供)
セメントを焼成する工程で発生する排ガスの熱を回収して発電し、電気を工場で利用する。排熱回収ボイラーと蒸気タービン発電機などで構成する。川重は設備の設計、機器の供給、据え付け工事、試運転指導を担当する。ベガボイラは本体重量が従来の約50%、設置面積は約60%。伝熱管のモジュールブロック化で工事期間が4分の3で済むなど、高い経済性が特徴だ。
ベガボイラは世界で5カ所目の設置になるという。海外では3カ所で工事中、中国では1カ所ですでに稼働しているという。川重が1982年に、初めてセメント排熱発電設備を納入したのも太平洋セメント向けだった。これ以来、世界で約260カ所にセメント排熱発電設備を納入。発電出力は合計で約280万キロワットになった。今回の受注額は明らかにしていない。
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