「犠牲者1人も出なかったの奇跡」 住友ゴム、被災経験を語る社内講演会

20200117住友ゴム車内講演会

 住友ゴム工業は17日午後、阪神淡路大震災から25年が経過したのを機に、震災の経験を語り継ぐ社内講演会を開催した。当時は本社の人事部に所属した秘書室長の高寄幸久氏と、震災をきっかけに閉鎖した神戸工場に所属していた技術企画部の津村誠氏が、当時のできごとや教訓などについて語った。神戸市中央区にある同社本社のホールに課長以上の約200人が集まったほか、国内の全16拠点をネット中継で結んで神戸で開いた講演の様子を伝えた。社員が当時の経験を語る会を開くのは、ちょうど10年ぶりという。

 高寄氏は、神戸工場の損壊状況から見て「地震発生時に夜勤で勤務していた約150人に、1人も犠牲者が出なかったのは奇跡だと思えた」と話していた。当日から始まった安否確認、再建策の検討、神戸工場閉鎖の決断、雇用を守る方針の決定などを時系列で順序立てて説明。そうした経験を積み重ねたことで、緊急時には危機管理本部を設置するルールの設置や、リスク管理委員会の設置、全社リスク分析の実施、事業継続計画(BCP)の作成などにつながった。被災体験は防災への原点になっているという。

 さらに2006〜10年には、震災時の生産担当役員が国内外の拠点や工場で積極的に講演し、震災の経験や取るべき対応について、各地で語っていた。従業員の安全、社内外への迅速な情報伝達、災害発生前の備えによる被害の最小化、早期の生産再開に向けた日ごろの準備(BCP)、震災被害を吸収できるだけの経営基盤の強化が、災害に向けた備えとして必要な5項目だと強調した。そうした取り組みが2011年の東日本大震災の際に、白河工場(福島県白河市)をいち早く再開させた。 

 一方、津村氏は神戸工場の閉鎖に伴って異動した白河工場でも、東日本大震災に被災。震災直後の動きや、その際に思ったことなどを語った。そのうえで「経験や教訓を風化させずに伝えていくことは大切だと思うが、とても難しい」という。25年が経過すると「覚えていることの方が少なくなってきている」。それでも少し遠出する時には、モバイルバッテリー(スマートフォンの予備電源)を持ち歩くなど、「自分でできることをやっていきたい」と話していた。

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