電子看板に避難情報、ラジオ音声を通じて掲示する実証実験 TOAなど開発
- 2020/01/17
- 10:36
神戸市は17日午前、ラジオ放送の音声を通じて商業施設のデジタルサイネージ(電子看板)に避難を促す緊急情報を掲示する実証実験を実施した。同時に自動音声でも緊急避難の館内放送を多言語で実施。回線切断などでネットを通じた情報取得ができなくなった状況でも、公共空間に居合わせた人らに対し、情報提供や避難誘導できるシステムの動作を確認した。
システムは放送設備大手のTOA、ラジオ関西(神戸市中央区)子会社のラジオ関西プロダクツ、システム開発の日立ケーイーシステムズ(千葉県習志野市)が神戸市と連携して開発した。実証実験は神戸市中央区の地下街「デュオこうべ」と「さんちか」でラジオ関西の放送を受信して実施。デュオこうべでは津波による避難訓練のきっかけとしても活用した。(写真)
災害に強いとされる情報通信インフラのラジオを活用したのが特徴だ。通常の放送音声の中に人間が聞こえない音声情報を埋め込む「音声透かし」の技術を応用。あらかじめ音声透かしを埋め込んだアナウンスをラジオ関西が放送すると、商業施設に設置した専用の受信機が音声を解析。音声透かしの内容に応じて、自動的に該当するメッセージを電子看板に掲示したり館内放送したりする。
実際にシステムを稼働するには放送会社と行政情報の連携など、さまざまな運用の取り決めが必要だ。ただ、神戸市の馬場栄二・危機管理室長は「昨年相次いだ台風被害では、一部で携帯電話なども使えなくなり、最終的にはラジオが有効だった」と指摘。「大規模な商業施設で想定される多くの帰宅困難者に向け、情報を途切れなく提供する観点から、これを進化させて実装できるようにしていきたい」と話していた。TOAにはすでに、交通関連機関からの引き合いもあるという。
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