有馬温泉で260年以上前から続く「入初式」 「有馬観光の目玉は歴史」



 有馬温泉では2日、神戸市立有馬小学校(神戸市北区)の講堂を会場に「入初式」(いりぞめしき)を開催した。有馬温泉の泉源を発見したと神話に残る大己貴命(おおなむちのみこと)、少彦名命(すくなひこなのみこと)、有馬温泉の恩人とされる奈良時代の僧の行基と、平安時代の僧の仁西に感謝し、1年の繁栄を願う行事だ。記録に残っているだけでも260年を越す歴史があるという。有馬温泉観光協会の金井啓修会長はあいさつし、「有馬観光の目玉の1つは歴史だ」と力説した。

 金井会長は「歴史が古いということで、有馬、道後、白浜が日本3古泉と呼ばれているが、歴史的な物語の量が違う」と強調。いずれも日本書紀に記載されているが、飛鳥時代の舒明天皇が宮中で「最も大事な新嘗祭(にいなめさい)の期間中に有馬温泉を訪れていたという記述など、そのときに勢いがあった蘇我氏との関係が微妙だったことをうかがわせる」などと話し、有馬をめぐる数多くの歴史的な物語が観光資源として掘り起こせる可能性を語った。

 一方、神戸市の山本泰生・経済観光局長はあいさつで、「昨年はラグビー・ワールドカップで盛り上がったが、今年は東京オリンピックで数多くの(外国人の)観光客が東京から神戸にも訪れると見込む」と説明。「姫路や淡路と一緒になって、神戸圏域で観光客を誘致しようとしているが、そのなかで有馬は重要な場所」と指摘した。「市街地から30分で来られる温泉地は珍しく、有馬のみなさんが残してこられた伝統や行事を大事にしながら(有馬温泉の魅力を)内外に発信していきたい」と、観光誘致への意欲を語った。

 入初式は神事と仏事の両方からなる珍しい形式の行事だ。先立って温泉寺(神戸市北区)から会場の有馬小学校まで、伝統衣装を身に着けた地元住民や温泉旅館などの関係者、芸妓らがパレードした。式典を終えた正午すぎには帰りのパレードで、行基像と仁西像を載せた輿が掛け声とともに往来する「返せ、戻せ」の行事を実施。行基や仁西が有馬を発つのを惜しんで引き止める様子を表した。真っ白な衣装の担ぎ手や、華やかな衣装の芸妓らが行ったり来たりするのを見て、観光客らも大きな声で掛け声をかけていた。

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