神戸市本社の上場会社、株価2倍が2社 29社が上昇・年間騰落率ランキング

20191231神戸株ワッペン

 2019年の東京株式市場では、神戸市に実質的な本社を置く47社のうち29社の株価が上昇した。なかでもカルナバイオサイエンス(4572)とG-7ホールディングス(7508)は年間の値上がり率が2倍を超えた。日経平均株価の30日終値が2万3656円と、大納会の終値としては1990年以来29年ぶりの高値を記録する好需給の中で、成長期待が素直に買われた。昨年9月に上場したワールド(3612)も上場から1年が経過して、公募・売り出し(公開)価格を回復する場面があった。

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 47社のうち最も上昇したカルナバイオの株価は昨年末との比較で2.4倍になった。同社が開発を進めていた、新規がん免疫療法の創薬プログラムの開発・商業化について独占的に供与するライセンス契約を6月に米ギリアド・サイエンシズと結んだ。一時金などで今期が最終黒字の見通しになったうえ、開発が進展した際の一時金や、医薬品が発売された際のライセンス料など将来の収益にも期待が高まった。

 GセブンHDは好調な内需が追い風で株価は2.2倍。同社が加盟店として展開する業務用食品の「業務スーパー」で販売するタピオカのが注目を浴びた。さらに同じく加盟店として展開するカー用品店「オートバックス」では、あおり運転問題などを背景にドライブレコーダーに関心が集まった。GセブンHDに業務スーパーのライセンスを供与し、加古郡稲美町に本社を置く神戸物産(3038)も1年間で株価は2.3倍になった。

 ワールドも再上場の直後は上場意義が明確でないなどと嫌気され、上場直後は下値を探った。ただ月次動向の発表や、積極的なM&A(合併・買収)など同社の動きを通じて、同社の経営陣が徐々に投資家の信頼を得たようだ。公開価格の2900円を上回る場面では、戻り待ちと見られるの売りも出ているが、需給改善までどの程度の時間がかかるか注目だ。

 一方で、最も値下がり率が大きかったのはスタジオアタオ(3550)で、6月に実施した株式分割を考慮しても36.8%下落した。3月に神戸市内でオープンした旗艦店「アタオランド」は好調だが、出店費用に加え、インターネット広告費用の増加で、採算が悪化したのが嫌気された。このほか物流費の上昇が逆風になったフジッコ(2908)など食品株が軒並み下げがきつかったほか、20年3月期に3期ぶりの最終赤字見通しになった神戸製鋼(5406)も年間で2割強下落した。

 株式相場全体としては上昇基調で、国内外の投資家の買いは継続している。多くの銘柄が年間で下落した2018年とは対照的な相場だった。買い一辺倒にならず、収益が悪化した銘柄は売られるなど、投資家の選別があったのも相場が長続きした一因の可能性もある。ただ、米国では求人数が頭打地になるなど景気の鈍化が指摘されている。相場全体への買いの勢いが弱まるようなら、2020年初頭の相場は銘柄ごとの選別色がより濃くなる可能性もある。

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コメント

データの確認

記事中の画像タイトルが2018年となっており、28日終値と記載されていますが今年のデータで間違い無いでしょうか?

Re:データの確認

たいへん申し訳ありませんでした。
データは今年のもので間違いありません。
枠を書き直しました。ご迷惑をおかけいたしました。

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