新たに4経路で神戸港利用をトライアル フェリーも活用、アジア広域集貨PT

20191205アジア広域集貨PT

 神戸港をめぐる港湾や物流の業界関係者と行政機関などで構成する「アジア広域集貨プロジェクトチーム(PT)」に関連する事業の一環で、神戸市などは5日までに、新たに4つの経路で神戸港を活用して試験的に貨物を輸送する「トライアル事業」を実施した。今回は宮崎カーフェリーや日中国際フェリーと、鉄道コンテナなどを組み合わせて神戸港を活用した経路を設計し、災害時などの事業継続計画(BCP)に利用できることを確認した。トラックのドライバー不足対策にもなるとみられる。

 住友ゴム工業は現在、宮崎県内の工場から出荷した製品を輸出する場合、工場で商品を詰めたコンテナをトレーラーで輸送して博多港から外航船に載せている。宮崎県〜福岡県と約260キロメートルの長距離をトレーラーで運ぶため、ドライバー不足への対応や、緊急時の代替ルート確保が課題だった。宮崎カーフェリーを活用して神戸港から輸出すれば、トレーラーで輸送する距離が工場から宮崎港までの50キロメートルと大幅に短くなることを確認した。(写真は神戸港で宮崎カーフェリーから住友ゴムの貨物を降ろす様子=阪神国際港湾提供)

 加えて別の荷主では上海港からの輸入に日中国際フェリーを活用。別件の輸出に使った12フィート(約3.66メートル)型の鉄道用コンテナに上海港で貨物を詰め込み、神戸港に到着後は神戸貨物ターミナル駅から貨物列車で輸送。宮城県内の決められた倉庫に納める。海上コンテナで輸入し、東京港でコンテナからトラックに積み替えて陸送する現在の経路に比べると、輸送期間が7日から5日と、2日短縮できた。コンテナを開ける必要がないため、船から鉄道への積み替えもスムーズだった。

 このほか2つの経路でもトライアル事業を実施。いずれも問題なく輸送に成功したという。BCPなどの経路として利用できることが確認できたが、輸送費用などを詰める必要もあり、通常のルートとして採用されるかは未知数だ。ただトライアル事業には輸送費などを補助する制度もある。さまざまな荷主が神戸港の使い勝手を体験することが重要と、PTでは考えている。引き続き、神戸港への貨物の誘致にトライアル事業を活用する計画という。

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