神戸にとってファッションとは? 業界が再定義で議論、「都市宣言」約50年で
- 2019/12/04
- 00:30
神戸の生活・文化産業の団体である神戸ファッション協会(神戸市中央区)は3日、「ファッション都市・神戸」の再定義に向けた事前調査の説明会を開催した。1973年の「ファッション都市宣言」から50年が迫るのを受けて、改めて神戸ブランドについて考え、衣料だけでなく神戸の生活文化全般にわたるファッション産業の活性化をめざす。事前調査の結果を踏まえて同協会では今後、「ファッション都市の再定義」について議論を深める。
説明会は「あるべき都市の、未来の姿を考える~新・ファッション都市宣言への一歩~」とテーマを掲げたトークショー形式で開催。事前調査の報告書作成を協会から受託したクリエイティブ・ディレクターの杉山恒太郎氏(写真右)と、神戸市北区淡河町を中心に茅葺(ぶ)き職人として活躍する相良育弥氏(写真中)が対談し、「神戸とは」「ファッションとは」について語った。
中学時代に阪神淡路大震災を体験した相良氏は「震災があっても生活が変わらなかった農家の祖父に格好良さを感じた」のが、現在の仕事をしているきっかけという。一方で杉山氏は「福岡市や川崎市に人口を抜かれたというが、人口の多さを尊ぶのは大量生産、大量消費の時代の価値観」などと指摘。「シビックプライドという言葉は最も神戸に合うのではないか」などと話していた。
事前調査は2018年から実施。ファッションデザイナーのコシノヒロコ氏、作詞家の松本隆氏、経営などに関する著作が多い山口周氏らにインタビューして、神戸を巡る論点を浮き彫りにした。協会では7日に一般を対象にしたワークショップ「新・ファッション都市 神戸の未来を作る」を開催。神戸のブランドイメージをめぐる議論を業界内外で深めたうえで、2020年2〜3月にも日本経済新聞にメッセージ広告を掲載することをめざす。
杉山氏と相良氏の対談で司会を務めた神戸ファッション協会の藤田修司部長(写真左)は、神戸経済ニュースの取材に対し、ファッション都市宣言の再定義に向けては「シビックプライドとして選択するなら、『ファッション』という言葉さえ外すことも考える」という。「それぐらい幅広い議論をしたい」と話していた。
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