新技術の活用めざす国連機関、神戸にアジア拠点 アーバンイノベ・500など評価

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 貧困対策や人道援助など国連活動の「現場」から要請を受けて、支援事業に特化した国連機関の「国連プロジェクトサービス機関(UNOPS、ユノップス)」は28日、アジア地域の拠点を神戸市内に開設すると発表した。UNOPSとの連携をめざすスタートアップ企業を神戸で育成する。既にスウェーデンなど2カ所のスタートアップ連携拠点を開設しており、世界で15カ所まで拠点を増やす計画の一環だ。スタートアップ企業の集積をめざす神戸市が、兵庫県の協力を得て県市連携で誘致。2020年夏ごろの開設に向けて準備を進める。

 UNOPS事務局長を務めるグレテ・ファレモ国連事務次長が午前中に東京都内で久元喜造神戸市長と、午後に神戸市内で兵庫県の井戸敏三知事と、それぞれ拠点施設「グローバル・イノベーション・センター(GIC)」の設立に向けた覚書に署名を交わした。神戸市と兵庫県は今後、GICの場所選定に加え、UNOPSが提示する課題の解決をめざす企業の募集や職員の派遣などで協力する。場所は、起業プラザひょうごが来春移転する三井住友銀行神戸本部ビル(神戸市中央区)が有力候補という。(写真は署名交換後に握手する井戸氏=左、ファレモ氏=中、神戸市の寺崎秀俊副市長)

 GICの常勤スタッフは5人程度を想定。コワーキング(共有)オフィスのような形態で、UNOPSが提示した課題の解決に沿うと認めたスタートアップが入居。常時15社程度がGICに入居して、このうち年間で5社程度のスタートアップが持つ新技術を、国連の事業として実際に採用したい考えだ。もっともUNOPSが提示する課題には大企業も応募することができる。国連の採用事業は規模が大きくなるケースも想定され、さまざまな規模の企業による交流が経済活性化にもつながりそうだ。

 UNOPSは日本以外のアジア各国からも、新技術を持ったスタートアップなどの企業を呼び込みたい考えだ。このためスタートアップと連携して行政課題を解決する「アーバンイノベーション神戸」(UIK)のほか、米ベンチャーファンドとともに展開するスタートアップ育成支援プログラム「500 Kobe Accelerator」(500神戸アクセラレーター)で、多くの海外企業を神戸に呼び込んだ神戸市の取り組みを評価した。神戸市も企業を募集するノウハウなどを提供できることから、UNOPSは神戸での拠点開設を決めた。

 神戸市内で井戸知事と覚書を交わした際、記者会見したファレモ事務次長は、「SDGs(持続開発目標)の達成期限まで10年を切ったいま、新しい形のパートナーシップが求められており、官、民、市民社会が一丸となってイノベーションを進めなくてはならない」と強調。「UNOPSは災害の現場など苦難の多い地域で活動することが多いだけに、イノベーションの必要性を日々感じている」という。それだけに「日本は国内外でSGDsを力強く推進しているうえ、兵庫県と神戸市にはイノベーションのカルチャー、スタートアップ支援の知見と経験がある」と、神戸でのGIC開設に期待感を示した。

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