神戸観光局の尾山会長に聞く(2)「予算続く限りマーケティング基にインバウンド戦略」
- 2019/11/24
- 22:30
−−「ゴールデンスポーツイヤーズ」は、あと2年続きます。
「来年のオリンピック・パラリンピックでは、観客席数が約1000万席ある。ラグビーW杯を上回る大勢の外国人が来日する可能性が高く、せっかく日本に旅行するのだからと、富士山、京都、広島ぐらいを巡る人も多いだろう。W杯では横浜市内の競技場から離れたホテルも宿泊価格が跳ね上がっていたところをみると、観戦の前日でも東京以外の場所に宿泊するケースが想定できる。そうした際に神戸も滞在してもらう、というのは積極的にねらっていきたい。まだ具体的には動いていないが、観戦予定がない日に回遊する観光地として、たとえば神戸中心部~須磨~姫路城という横の連携はあり得るのではないかと思っている」
須磨海水浴場は都心からも近い
「同じく21年の秋に神戸で開催する世界パラ陸上では、ハンデキャップのある方が1人で来日することはないと考えている。フランスのパリと競り勝って神戸開催が決まった大きな要因の1つに、神戸の方がエレベーターを設置するなどの改修がしやすい、ということがあった。来年は東京パラリンピックを開催するが、それよりも神戸の方がバリアフリーの面で優れているという評価を得られるのではないかと思っている」
−−それまでに何か課題はありますか。
「細かいことはいろいろある。たとえばドアを閉めきって外から中の様子が見えない飲食店には怖くて入れず、外国人の来店が見込みづらいのを改めて実感した。またキャッシュレス決済は実際にどれほど利用されたのか、できれば確認しておきたいと思っている。加えてタクシーで小型翻訳機は活用されたのか、また『Uber』のようなライドシェアに慣れた外国人が、日本のタクシーを上手く乗りこなせたのか、なども気になっている」
完成間近の新国立競技場
「何より大きな課題は、多くの人が集まる東京で『神戸』というキーワードがなかなか出てこないことだ。振り返れば阪神淡路大震災の前に展開した『三都物語』以来、東京で神戸の大きな観光キャンペーンを展開してこなかった。しかし今回、少しマーケティングを工夫しただけで、それなりに手応えが得られた。まず英国では継続して神戸の情報を発信していきたい。加えて東京での露出も拡大するべきだろう。さらに神戸空港から新たに航空便が就航した長野県の松本市などでもキャンペーンをする価値があると思う。予算が続く限りマーケティングに基づく取り組みに力を入れていきたい」
(聞き手は編集長 山本学)
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