神戸観光局の尾山会長に聞く(1)「W杯では高得点を獲得か」 ビール切らさず

20191124尾山基神戸観光局会長

 ラグビー・ワールドカップ(W杯)の日本大会では神戸市でも御崎公園球技場(ノエビアスタジアム神戸、兵庫区)を舞台に4試合を開催した。メリケンパーク(中央区)にはファンゾーンを開設。試合開催日の三宮や元町といった神戸都心に海外からの観戦客も目立っていた。はたして神戸は彼らに「おもてなし」できたのか。さらに今後の観光誘致に向けたノウハウは得られたのか。神戸観光局の尾山基会長(上の写真)に聞いた。

 −−神戸観光局としてラグビーW杯での対応をどのように評価しますか。

 「大成功だったと思う。かなり高得点を付けてもよいだろう。100点満点で90点ぐらいか。日本代表戦こそなかったが、神戸での試合がどれも好カードだったというのは追い風になった。それに海外向けの事前アピールを含めて、周到に準備を進めてきた成果が出たと思う。大阪観光局と連携して、事前に英国のロンドンで神戸観光をアピールしたうえ、4月の英ブリティッシュ・エアウェイズの関空~ロンドン便就航や、そのプロモーションの一環で、神戸のファムトリップ(英国の旅行会社向けの視察旅行)ができたことも大きかったと思う」

 「おもてなし事業の一環で、メリケンパークのファンゾーンと別に高浜岸壁(神戸市中央区)で、試合開催日と期間中の週末の合計9日間に開催した『和フェスタ』は6万5500人の来場者があった。ファンゾーンにも8万8000人の来場があった。その全員が訪日客というわけではないが、きわめて多くの海外からの観戦客の受け入れに成功して、なおかつビールを切らさなかった。欧米豪を中心とした富裕層の観光客に高い評価を得られたと、手応えを感じている。MICE(国際会議や見本市)の誘致で飲食店を紹介する冊子を制作してきた蓄積もあり、ナイトタイムエコノミーも活性化して、試合後も楽しんでいただけた。ゼロからのスタートでなかったのは大きかった」

 −−欧米豪から多くの観戦客を受け入れて、新たに分かったことは何ですか。

 「ラグビーの観戦客は本当にビールを5倍飲む……というのもあるが、当初は個人旅行で来日する英国勢を中心に、5~6月といった早い段階で宿泊先や立ち寄る観光地も決めるだろうとの見方が多かったが、実際は違った。かなり直前になってからホテルの部屋が埋まり始めたと聞いている。南アフリカが決勝に進出することになって、急に思い立って南アフリカから飛んできた人にテレビ局がインタビューしていたのを見かけた。観戦客は戦況に合わせて意外と機動的に動いたということだ。今回実施した東京での駅ナカ・プロモーションも効いた可能性が高い」

20191124ラグビーW杯

 「また欧米豪からの観光客は、神戸の自然に興味を持つということだ。登山地図アプリの『YAMAP(ヤマップ)』で六甲山に関する部分の英語版を作ったところ、7月の公開以降で約7000ダウンロードと、前年同期比で1.5倍の伸だった。 加えて神戸には、外国人にとって珍しいケーブルカーがある。六甲ケーブル、まやビューラインはもっと外国人にアピールできる可能性があると考えている。訪れた外国人が神戸の自然の景色をSNSで発信すると、さらに多くの外国人観光客を呼び込むことにつながることになるだろう」


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