神戸製鋼の今期、3期ぶり最終赤字に下方修正 海外車向け需要減など織り込み
- 2019/11/06
- 23:14
神戸製鋼所は6日、2020年3月期の連結最終損益が50億円の赤字(前期は359億円の黒字)になりそうだと発表した。3期ぶりに最終赤字を計上する。従来予想である100億円の黒字から下方修正した。海外での自動車向け素材や、半導体・IT向け需要が回復しないことなどが逆風になっている。4〜9月期に投資有価証券売却益を特別利益に計上したが、投資有価証券評価損がこれを上回ったのも重荷。
売上高は微減の1兆9700億円、営業利益は69%減の150億円を見込む。従来予想は2兆円、250億円だった。世界景気の減速が響く。海外で自動車の生産が減少しており、鋼材の需要が減少。自動車用端子や半導体向け銅板条の需要が弱含み、半導体・IT向けアルミ圧延品の販売も4〜9月期に前年同期を下回ったという。こうした事業環境の悪化を織り込む。
神戸製鋼が業績予想を下方修正するのは今期2度目。4〜6月期決算を発表した8月2日にも今期予想を下方修正し、中間配当の見送りなどを発表していた。今回、期末配当については引き続き「未定」とした。神戸鋼は、通期での最終赤字を前回計上した2017年3月期に無配としていた。
同時に発表した2019年4〜9月期決算は、最終損益が62億円の赤字(前年同期比333億円の黒字)になった。108億円の投資有価証券評価損を特別損失として計上したことなどが響いた。自動車用の鋼材や半導体向けの銅・アルミ製品などの需要が弱まった。売上高は1%減の9444億円、営業利益は68%減の74億円になった。
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