JR西日本、京阪神で終電早める検討 保線作業員の休日確保へ

20191024JR大阪最終電車

 JR西日本は24日、深夜に保線作業の時間を少しでも長く取るため、京阪神の在来線で終電を早める検討を始めたと発表した。効率よく保守作業を実施することで、作業員らの休日を確保することが目的。深夜に重労働をこなす鉄道工事の担い手が急速に減少していることから、労働環境を改善して人材を獲得する必要があると判断した。早ければ2021年春のダイヤ改正から実施したい考えだ。

 鉄道の安全運航には線路などの保守作業は欠かせないが、建設業全体でも過去10年で作業員の数が9%減っている。特に深夜の重労働になる鉄道保守は人手の確保が厳しく、JR西日本のグループ会社では23%減少した会社もあった。このため平日深夜に作業時間を確保することで、土曜、日曜、祝日などに休みを取りやすくする。

 現在は大阪発の終電は西明石行きが午前0時28分、高槻行きが0時31分、京橋行きが0時33分など(表)。仮に大阪発の終電をすべて午前0時にすれば、年間10%ほどの作業日数の減少が見込めるという。その分、作業員の休日に充てられる計算だ。しかも保守作業には準備と後片付けにも時間がかかるため、作業時間が長くなると、それ以上に作業がはかどるという。

 さらに最近は、通勤客の帰宅時間が早まり、深夜時間帯の乗客が減少している傾向もあるという。今後は乗り換えなどで接続する他の鉄道との利便性や、夜の都市観光「ナイトタイムエコノミー」などとの影響関係などを検討。関係機関などに理解を求めながら、実施に向けた調整したい考えだ。24日に開いた定例記者会見で、来島達夫社長が説明した。

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