住友ゴム、「グリップ性能が持続するタイヤ」1年前倒しで開発 12月発売

20191024住友ゴム会見

 住友ゴム工業の山本悟社長は24日、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催している東京モーターショーで記者会見し、ぬれた路面でのブレーキ性能(ウエットグリップ性能)が使い続けても長持ちするダンロップブランドのタイヤ「エナセーブ・ネクストⅢ」を12月1日に発売すると発表した(写真)。新素材「水素添加ポリマー」の採用で、性能の持続について同社が設定した開発目標を1年前倒しで達成。AI(人工知能)を使った技術開発の手法を確立したことなどで、開発が加速したという。

 住友ゴムは17年に開催した前回の東京モーターショーで、4年間の使用に相当する2万キロ走行時のウエットグリップ性能を低下の度合いを5%に抑えたタイヤを、20年までに量産・発売するとの目標を掲げていた。従来の10%から半減させる目標だった。だが、AIを活用した素材開発の手法「タイヤ・リープ・AI・アナリシス」を確立し、新素材の開発が順調に進んだ。性能が持続することで、自動運転の際に自動車の想定外の動きが減ることになるため、自動運転の普及にも寄与する技術という。

 タイヤの材料にはバイオマス素材である「セルロースナノファイバー」(CNF)を世界で初めて採用。タイヤの製造による環境負荷の低減も目指す。日本製紙が製造したCNF「セレンピア」を使用した。さらに三菱ケミカルが持つ材料の混合技術によって、CNFが広く分散したゴム素材が開発できた。混合の方法を変化させることで、タイヤの部分によって剛性を調節し、よりスムーズに走れるようになったという。

 サイズは幅195ミリメートル・リム径15インチ(195/65R15 91H)の1サイズ。メーカー希望小売価格は税別で2万5100円とした。

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