神戸市水道局、日本鋳鉄管・米フラクタと水道管劣化のAI診断を試行

 神戸市水道局と、東証1部上場の日本鋳鉄管、米AI(人工知能)企業のフラクタ(米カリフォルニア州レッドウッドシティ)は7日、水道管の劣化を診断する技術を試行することで同日覚書を結んだと発表した。神戸市水道局が持つ漏水データやなどに、地理や地形、交通状況、気象など1000を超える環境条件を示す数値をフラクタ社が収集して取り込むことで、水道管が破損・漏水している確率を場所ごとに算出する。

 国内の水道管の多くは1960〜70年代の高度成長期に整備されたものが多く、老朽化が懸念されている。今後、水道管の劣化が進むようだと漏水の多発や、赤水の発生など水質にも影響する可能性がある。ただ水道管すべてを一挙に更新することは難しく、より破損などの可能性が高い場所から改修を進めたい考えだ。欧米では導入が増えているフラクタ社の「水道管路劣化診断システム」を神戸市でも導入できれば効率は高まるとみて、10月から2020年3月末を試行期間に設定。システムの精度を検証する。

 まず10月中に水道管データをフラクタ社に提供、同時に提供した管路情報に散見される誤りを補正する。11〜12月は環境データと管路情報を掛け合わせて、AIがデータを学習する期間にする。20年1〜2月には課題の明確化や急を要するシステムの改修と同時に、今回の試行について報告をとりまとめたい考えだ。

 日本鋳鉄管は代理店として、日本市場へ水道管の劣化診断システムを共同展開する契約をフラクタ社と昨年締結。すでに川崎市上下水道局でも2月に同システムの試行を開始している。

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