川重、航空宇宙・ロボットがけん引 船舶と車両の再建も継続・分野別の中計

20180723クリスタルタワー

 川崎重工業は2日、2022年3月期を最終年度とする中期経営計画で、事業分野(セグメント)別の計画目標を発表した。いずれの分野も収益拡大と採算改善をめざすが「航空宇宙システム」「精密機器・ロボット」の2分野が成長をけん引。なかでも航空宇宙は、航空旅客需要の増加に加えてエンジンの保守や修理を増やし、同社全体の営業利益のうち半分程度を稼ぎ出す。一方で「船舶海洋」の構造改革と、鉄道車両の「車両」も再建を進め、同社全体の採算改善につなげる。(写真は川重本社が入居するビル=資料)

 川重は5月に20年3月期〜22年3月期の新中期計画を発表していた。売上高の規模を拡大するよりも、収益性の改善を重視すると強調。22年3月期の営業利益は1000億円超、同時に営業利益率を6%超に高めることなどを目標に掲げた。ただ、事業分野別の詳しい計画は同時に示していなかった。このため今回、分野別の計画をまとめ、改めて発表した(グラフ)。9月30日に20年3月期の業績予想を下方修正したが、5月に掲げた全体の目標は変更していない。

20191002川重中計セグメント

 「航空宇宙システム」では22年3月期の売上高は19年3月期の実績比で15%増の5350億円、営業利益は同58%増の515億円を目指す。航空機体は販売数量の増加による増収が見込めるほか、航空エンジンではメンテナンス・修理・オーバホール(大規模点検)の「アフターマーケット」を開拓して収益性を高める考えだ。コストダウンにも力を入れて、一段と採算を改善する。

 「精密機械・ロボット」では、中長期的には新興国でのショベル需要拡大が見込まれるほか、高齢化社会などを背景としたロボットの用途拡大、普及などが追い風になる公算だ。半面、「船舶海洋」では商船建造の軸足を引き続き中国にシフト。人員規模の縮小など固定費の削減も継続する。「車両」はプロジェクト管理能力の向上や、そもそも適正価格・適量での受注などで事業再建を進める。

 長期的な目標としては、川重全体で2030年の営業利益率10%をめざす。そのために各部門の自律的な事業経営と、全社的な企業統治の両立が必要だ。このため事業単位(BU)の見直しも随時実施していく。まずは現在、全社で30あるBUを14に統合し、それぞれ責任者を設置。現在は事業継続の指標としているROIC(投下資本利益率)も弾力的にみる。ガバナンス(企業統治)について経営の監督と執行の分離をより明確にするなど、体制を強化したい考えだ。

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