神栄、アパレル小売り・靴下から撤退 特損約5億5000万円計上へ

 神栄は20日、子会社の神栄ライフテックスを通じて展開しているアパレル小売り事業と、靴下などを製造・卸売りするレッグウエア事業から撤退することを決めたと発表した。繊維分野を縮小し、収益基盤が厚く事業拡大が見込める冷凍食品や、製品に独自性があり高い競争力を持つ電子部品などに経営資源を集中する。神栄ライフテックスは解散。退去費用や雇用関係費用で約5億5000万円の特別損失を2020年4〜9月期決算に計上する見通しだ。

 神栄のアパレル小売り事業は東京都内や近県のショッピングモールなどに出店。「パターンフィオナ」ブランドなどの婦人服や雑貨を販売している。レッグウエア事業は、問屋や量販店に、中国など海外で製造した靴下などを卸売りしている。いずれも最近では不振が続き、神栄の繊維事業の重荷になっていた。アパレル小売りとレッグウエアの合算で、19年3月期に3億9000万円の営業赤字を計上していた。

 事業撤退を2020年2月末までに完了し、同3月末までには神栄ライフテックスを解散する計画だ。アパレル小売り、レッグウエアの両事業で従業員の「雇用継続は困難」という。このため退職者への退職金上乗せや再就職支援などに今後は力を入れるとしている。一方、神栄ライフテックスの事業のうちアパレル卸売り事業と、「丸編みニット」に強みがあるテキスタイル事業は、11月1日付で神栄本体が吸収。同事業の従業員も雇用を継続する。

 事業撤退に伴い在庫評価損が発生するうえ、アパレル小売り事業には閉鎖店舗の退去費用が発生する見込み。さらに退職金の上乗せなど雇用関係費用を合計すると、現時点でおよそ5億5000万円の費用が発生する見通しで、これを特別損失に計上する。神栄は5月に、今期の連結最終損益は1億5000万円の黒字になる見通しを示していた。単純計算すれば最終損益は4億円の赤字と、2期連続の最終赤字になる。ただ特別損失の金額はあくまで概算といい、神栄は現時点での今期予想の修正を見送った。

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