カルナバイオの1〜6月期、4期ぶり最終黒字 米ギリアドとライセンス契約
- 2019/08/13
- 17:43
カルナバイオサイエンスが13日に発表した2019年1〜6月期の連結決算は、最終損益が11億円の黒字(前年同期は4億8900万円の赤字)になった。同社が1〜6月期に黒字を計上したのは15年1〜6月期以来4年ぶり。同社が研究開発した新規がん免疫療法の創薬プログラムの開発・商業化について独占的に供与するライセンス契約を6月に米ギリアド・サイエンシズと結び、契約一時金2000万ドル(約21億円)を売上高に計上したのが寄与した。
売上高は前年同期比6.1倍の24億円、営業損益は14億円の黒字(前年同期は4億3600万円の赤字)だった。事業別では、創薬事業の売上高が21億円(前年同期は5000万円)で、今回計上したすべてが米ギリアドとの契約一時金だ。一方、キナーゼタンパク質の販売や受託試験など創薬支援事業の売上高は前年同期比5%減の3億3200万円だった。国内向けの売上高が減少したことなどが響いた。
19年12月期の連結業績予想は据え置いた。最終損益は2億1400万円の黒字(前期は12億円の赤字)と、15年12月期以来4期ぶりの最終黒字を確保する見込みだ。売上高は4.0倍の30億円になる見通し。ギリアド社から受け取る契約一時金で大幅増収になる。
ただ現時点での売上高予想にはカナダのシエラオンコロジーに知的財産権を供与している、がん治療薬の候補物質について、臨床試験で最初の患者に投与した時点で400万ドル(4億円強)の一時金が支払われる予定。シエラ社は19年内にも臨床試験を開始したい考えというが、不確実性が残るとして業績予想には織り込んでいないとしている。
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