(解説)変わる神戸市兵庫区、評価高まるか 喜楽館1周年に区役所も新築

20190728兵庫区役所完成式典

 神戸市兵庫区が変わりつつある。落語の定席「神戸新開地・喜楽館」がオープンしてから1年が経過し、同区の中心地である新開地には女性客が増えたとの指摘が出ている。現存する中で最も古い区役所だった兵庫区役所が8月から稼働し、地域活動の拠点である「みなとがわホール」も完成した。こけら落とし公演は、地元住民らを中心とした音楽やダンスなどさまざまなジャンルの26団体が相次いで出演。かつては兵庫区内の工場で働く人が多かったが、住民の層は大きく広がっている。

 7月28日に神戸市が開いた兵庫区役所の完成記念式典(写真)。あいさつした久元喜造市長が兵庫区の課題の1つとして挙げたのは「祇園小学校の過密化対策」だった。同校のホームページによると2018年4月の児童数は745人。単純計算では15年4月の701人から3年間で1クラス分を超す人数が増加した。全国的に少子高齢化が進むなかにあって、子供の数が増えている。

 地元出身の落語家、桂あやめさんがいう「おっさんの街」のイメージが濃かった新開地からは想像が付かないかもしれないが、このところ兵庫区の人口は転入超過で推移している。住民基本台帳に基づく1月1日の人口は10万9396人。1年前に比べて162人増加。15年1月1日との比較では473人増えている。この間、出生数から死亡数を引いた自然増減はマイナスの傾向で、人口増の主因は転入者数の増加だ。



 いまのところ新開地の商店街に喜楽館以外の目立った動きは見られないが、上沢線(山手幹線)をはさんで商業施設「湊川パークタウン」の2階では、店舗を誘致する「神戸湊川Otonari(おとなり)」が進行中。手作り小物を販売する店舗のほか、焼きたてパン、カフェなど、道を1本へだてれば「おっさんの街」のイメージを覆す、おしゃれな店が現れている。新しい店のオープンには人口増、とりわけ転入者の増加による消費市場の拡大が追い風になる。

 もとより兵庫区の湊川商店街や東山商店街は「神戸の台所」と呼ばれた地域だ。食料品の販売店も充実している。新旧店舗の相乗効果が発揮できれば、近隣の住民だけでなく、神戸電鉄沿線など少し離れた場所からの買い物客を呼び寄せるような、ショッピングゾーンになる可能性すらある。近隣に住む人にとっても、便利で楽しく買い物ができることにつながるだろう。

 国土交通省の公示地価を見ると、神戸市営地下鉄の湊川公園駅から500メートルという神戸市兵庫区荒田町2丁目(住宅地)で、1月1日時点の地価が1平方メートルあたり22万7000円だった。15年1月1日の21万5000円から約5.6%値上がりしている。住宅地として兵庫区が見直されている可能性がある。湊川公園から三宮まで地下鉄で5分。三宮が活性化されれば、一段と兵庫区の評価が高まるかもしれない。
(神戸経済ニュース 山本学)
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