神戸市制130周年 久元市長に聞く(3)記者の目 都市の経営理念にスピードも

▽インタビュー記事

 今回の久元喜造市長のインタビューを通じて感じられたのは、やはり極めてバランスを重視しした都市経営だ。たしかに急激な変化が住みやすさを損ねることはあるし、今後長期間にわたる都市の方向を考える市長の役割には慎重さも必要だろう。丁寧とも言える。一方、交通の要衝としての機能を高めるという、成長に向けた久元氏の方針にも異論はない。交易に交通は不可欠だからだ。

 それにスタートアップ支援や神戸医療産業都市といった「成長」のためのプロジェクトが実を結びつつある。新規株式公開(IPO)予備軍のような企業の拠点が神戸に増えてくれば、大阪からも流出した金融機関の視線が再び神戸に向かう可能性も出てくる。医療にしても、iPS細胞を使った再生医療や、ゲノム医療など、最先端の研究拠点が神戸にできてきた。

 神戸医療産業都市がここまで来るのに20年はかかったし、スタートアップ支援にしてもここまで約5年の道のりだ。あゆみを続けることは大事だし、そうした地道な取り組みが重要なのは間違いない。だが、そうしたノウハウや知見を育成するためにも、三宮再開発のようなインフラ整備は、もっとスピードを上げて、早く終わらせる必要があるのではないか。

 たとえば現在の計画では、三宮交差点の自動車交通を止めて歩行者中心の広場にする「三宮クロススクエア」が、2030年になっても完成しない。少し遅すぎやしないか。さらに神戸では、神戸空港の国際線就航に向けて、道路などのアクセス強化、国際線ターミナル建設や貨物ターミナル改修といった大きなプロジェクトも控えている。財源も問題になることだろう。

 東京の人口が減り始めるころには、少子高齢化による人口減少だけでなく、アジアなど海外への人材流出による国全体の「社会減」も問題になるだろう。人口減少のスピードはきわめて読みづらい。そうした中で作りかけのインフラが完成を見ないまま財布が底をつくという事態だけは、どうしても避けたい。久元氏が市長として掲げる都市経営の理念と、人口減少とのスピード競争は、実はもう始まっている。(神戸経済ニュース 山本学)

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