「神戸レザー協同組合」を設立 神戸ビーフの「革」活用、パリで好感触

201907251形状記憶皮袋

 神戸市は25日、同市内に出店する職人・工芸家らが集まり、神戸ビーフの牛から取れた牛革の活用をめざす「神戸レザー協同組合」が発足したと発表した。理事長には革小物を作る喜市(神戸市中央区)の片山喜市郎代表が就いた。統一ブランド「神戸レザー」の管理や振興などをめざす。中小企業等協同組合法に基づく事業協同組合。1日付で設立し、23日に登記の手続きを終えた。同協同組合は今後、兵庫県内の関連する事業者に参加を呼びかける。

 片山氏らはこれまでも神戸市と共同で、安価で処分されたり、使われずに捨てられたりしていた神戸ビーフの革を使った商品開発を模索。革小物や靴を製作して、1月にパリで発表会を開催していた。その際に著名ブランドのデザイナーらも興味を示すなど好感触を得られたうえ、多くの助言も受けられたことで、協同組合の設立に踏み切ったという。今後は地域団体商標として「神戸レザー」の商標登録をめざす。

 イタリアで開く世界最大規模の家具見本市「ミラノサローネ」では今年、デザイン事務所Kuli-Kuli(クリクリ、神戸市東灘区)の山内真一氏がデザインした形状記憶できる革袋(写真=photo by Hiroki Andou)、冷やすと鮮やかな色が浮かび上がる小銭入れなど、神戸レザーを使った試作品を出品。出品作で審査し、若手デザイナーの登竜門とされる「サローネサテリテ」で最優秀賞を受賞した。

 25日に片山氏らとともに神戸市役所で記者会見した山内氏は「神戸ビーフが感動をもたらしてくれるように、神戸レザーにも感動が必要だと考えた」と話す。そこで皮革加工や染色といった、靴づくりなどで蓄積した兵庫県内の高い技術を投入。全体的に薄めで、やや脂分が多いという神戸レザーの弱点を補った。高い加工技術は神戸レザーの強みになりそうだ。

 協同組合は11月に東京で開催する見本市に出店し、国内でも「神戸レザー」のブランド展開を始める。原則として製品や試作品は、協同組合に加盟する各社で開発するが、今回は協同組合が発足して最初ということもあり、全体のデザインを山内氏が監修。出品する製品に統一感を出す。

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