「ラグビーファンは1時間なら歩く」 同友会で村上晃一氏と志賀敏哉氏が対談
- 2019/07/20
- 01:23
「ラグビーファンは試合後、スタジアムから移動するのに1時間ぐらいなら平気で歩く」。こう話すのは、これまでも各地で開催したラグビー・ワールドカップ(W杯)を取材してきたラグビージャーナリストの村上晃一氏(写真左)だ。ノエビアスタジアム神戸(神戸市兵庫区)で今秋開催するラグビーW杯の試合終了後も、交通機関の混雑回避もあって元町や三宮ぐらいまで歩く観客らがかなりの数になるとみる。「その途中でビールを売れば、間違いなく売れるのでは」という。
神戸経済同友会は19日夜、会員の経営者らを対象にユニバー記念競技場(神戸市須磨区)で神戸製鋼とNECが対戦するラグビー・トップリーグ・カップの観戦会を開催。約50人が参加した。試合開始前の約1時間を事前イベントとして村上氏と、ラグビーW杯に関する神戸市のアドバイザーを務めるデザイナーの志賀敏哉氏(写真右)の対談に充てた。ラグビーのルールの説明などもあったが、話がノエスタにおよぶと村上氏は「三宮や元町といった繁華街までの間に何もないのが弱点ではないか」と指摘した。
そのうえで村上氏は、埼玉県熊谷市の取り組みを紹介。熊谷ラグビー場から最寄りの熊谷駅までは3.7キロメートルだ。歩くと50分程度かかるが、その沿道には屋台を出す計画という。「数万人単位の観客が一斉に交通機関を利用するのは無理だし、試合を振り返りながら友人らと話していれば1時間ぐらいすぐ」とあって、徒歩で移動する観客が多いことは想定する必要があるようだ。三宮に到着すれば三宮センター街で「ヨルバル」などを実施する予定だが、途中にも商機がありそうだ。
このほか村上氏は「歴史的な試合の目撃者になりたければ、今回のW杯は神戸で試合を見るべき」とも。神戸で試合に臨むイングランド、スコットランド、アイルランド、南アフリカはいずれも優勝候補で勝ちが見込まれるが、「芝の状態が最高に良いこともあり、何が起きるか分からない」。このため2015年のイングランド大会で日本が南アフリカを倒したような「大ニュースが起きるなら神戸だし、順当に強いチームが勝っても(優勝候補なので)最後の方まで楽しめる」と話していた。
ラグビーW杯は9月20日から11月2日までの44日間だ。2〜3週間で終わる五輪やサッカーW杯などに比べて、長く楽しめる分、商機も増えるかもしれない。観戦会に参加し、両氏の対談も聞き入った同友会の中尾一彦代表幹事(神戸土地建物社長)は、ラグビーW杯に向けて「アジア初の大会を見逃したら一生の損になるという気持ちで、できるだけ多くの人になんらかの形で参加していただいて、経済の活性化にもつなげてほしい」と話していた。
この日の試合は47-26で神戸製鋼がNECを破り、トップリーグ・カップの準決勝進出を決めた。準決勝で神戸製鋼は8月4日にサントリーと対戦する。会場はヤンマーフィールド長居(大阪市東住吉区)の予定だ。
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