川重、22年3月期の営業利益率6%超に 品質管理強化などで採算改善・新中計

20190520川重中計

 川崎重工業は20日、2022年3月期を最終年度とする新しい中期経営計画を発表した。22年3月期の営業利益は1000億円超、同時に営業利益率を6%超に高めることなどを目標として盛り込んだ。売上高の規模を拡大するよりも収益性の改善を重視。財務基盤を強化して、将来の収益拡大に備える。前回の中計期間中には大型プロジェクトで損失が相次いだのを踏まえ、リスク管理や品質管理も強化する。

 20年3月期は売上高1兆7000億円、営業利益率は4.2%を見込む。売上高は今期から横ばいでも営業利益率が6%に向上すれば1020億円になる計算。向こう3年間は事業規模の拡大にこだわらず、収益重視で臨む姿勢を鮮明にした形だ。事業分野ごとの役割を明確にして、経営資源の配分にもメリハリをつける。変化に対して前向きに取り組むよう、社内風土の改革にも取り組む考えだ。成長投資は3年間で450億円を計画する。

 収益性の指標をみると、営業利益率は17年3月期の3.0%を底に改善が続いている。ただ、最近の業績の重荷になったのは、大型プロジェクトでの損失計上だった。前期は車両事業のうち、米ロングアイランド鉄道向け案件、米ワシントン首都交通向け案件などで損失を計上。営業外費用だが、航空機エンジンに不具合が発生したことでも大幅な負担金を計上した。さらに新幹線台車の製造不備問題も踏まえ、リスク管理体制、品質管理体制を全面的に見直す。

 受注前審査の徹底、失敗事例の共有などを進めると同時に、重要案件ではリスク管理委員会の継続的な監視で事態の悪化に早く気づけるようにする。品質向上のためには、全社レベルで教育体系を整備するほか、「全社品質会議」を新設。各部門ごとの品質管理の強化を支援する。

 経営目標としては、営業利益に加え、投下資本利益率(ROIC)の10%と、純現金収支(フリーキャッシュフロー)を成長投資の支出前で3年間に1200億円の黒字とすることも目標に掲げる。収益力の強化とコスト削減で、3年間で200億円の営業利益への寄与があるとみる。

 このほか車両事業で一過性の損失が前期でなくなることや、航空宇宙分野でアフターサービスが増えることによる収益改善なども見込み、22年3月期には営業利益率の6%を達成できる道筋を示す。

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