神戸鋼の前期、純利益43%減 製造設備の減損などで特損220億円
- 2019/05/09
- 16:38
神戸製鋼所が9日発表した2019年3月期の連結決算は、純利益が前の期に比べ43%減の359億円だった。鉄鋼での生産トラブルやアルミ・銅の原材料高と圧延品の需要減などが利益を圧迫した。さらにチタン鍛造品の製造設備や、産業機械事業のスウェーデン子会社でのれん代を減損処理。豪雨災害や地震による棚卸資産の毀損なども含め、特別損失を合計220億円計上したのも重荷になった。
神鋼不動産の株式を75%売却したことで投資有価証券売却益314億円を計上したほか、神鋼鋼線工業を子会社化したのに伴う利益もあり、特別利益は363億円を計上。この範囲内に特別損失は収まった形だが、同社全体の最終利益は補いきれなかった。
売上高は5%増の1兆9718億円、営業利益は46%減の482億円だった。原材料価格の上昇を受けて、鋼材や溶接材料、アルミ・銅製品の販売価格を引き上げたのが増収要因。原価が上昇していることから、増収が利益につながらなかった。
2020年3月期の連結業績予想は現時点では開示しなかった。15日午後3時半に東京都内で山口貢社長が記者会見し、見直しを進めている21年3月期を最終年度とした中期経営計画を発表する。これと同時に、今期の業績予想も発表する予定だ。
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