(解説)神戸空港、さらなるインフラ整備が課題に浮上へ 国際線「中期」課題で

20190505神戸空港

 関西国際空港、大阪国際(伊丹)空港、神戸空港の関西3空港の役割について話し合う関西3空港懇談会が5月にも開かれるのを受けて、神戸空港の国際線就航を巡るインフラ整備も課題として浮上する見込みだ。2021~25年の中期的な課題として神戸空港への国際線就航が位置付けられるとなると、遅くとも5〜7年程度をめどに、国際線ターミナルの整備を進める必要がある。さらに空港アクセスの強化も優先度が高い課題として浮上し、整備方針の決定を急ぐ必要が出てくる。(上の写真は神戸空港=資料)

 関西3空港懇談会の事務局を務める関西経済連合会の松本正義会長は4月15日の定例記者会見で、神戸空港について発着枠の増枠と運用時間の延長する方向で調整すると表明した。一方で、国際線の就航は「中期的に考えていく話」と述べた。かねて関経連は、東京五輪(2020年)~大阪・関西万博(2025年)の期間を中期と示しており、25年春に神戸空港に国際線の定期便を誕生させるには、遅くとも22年度内に国際線ターミナルの仕様を決める必要があるだろう。

 もっとも国際便の就航開始当初はスカイマークのサイパン便などが就航するとみられ、現在の関空の第2ターミナルのような簡素な国際線ターミナルでも対応は可能とみられる。ただ、空港運営会社の関西エアポート(大阪府泉佐野市)はビジネスジェットの拠点として神戸空港を活用したいとの方針も示している。ビジネスマンが長距離路線とビジネスジェットを乗り継ぐ拠点として、のちにラウンジなどを備えた本格的なターミナル施設を計画する必要が出てくる可能性は小さくない。

 さらに国内線、国際線とも利用者数が増えると見込まれ、空港へのアクセスの強化も必須だ。神戸市が現在、検討しているのは2ルート。1つはポートライナーの8両化で、朝夕の混雑緩和策も兼ねる。もう一方は、ポートアイランドと新港東ふ頭を結ぶ神戸港港島トンネル(下の写真)を延伸する形で、ポートアイランドと新幹線の新神戸駅を結ぶ道路を強化することだ。ただ、神戸市の首脳は現時点で「どちらを本命にするのか決めかねている」と話していた。

20190505港島トンネル

 ポートライナーの8両化には700億~800億円が必要との試算があるという。実現しても採算が合うのか、というわけだ。このためポートライナーをいずれ8両化するにしても、まず道路整備を先行させてバス輸送を強化する方が現実的との見方も根強い。ポートライナーは国際線ターミナルの整備に伴う新駅も必要になりそう。一方、バスにも欠点はある。新神戸駅はよいとしても、神戸空港から来るバスを三宮のどこに停めるのか。新たに建設するバスターミナルは第1期の完成が2025年に見込まれているが、空港と三宮のシャトルバスが利用できるか現時点では判然としない。

 こうした背景から、次回の関西3空港懇談会で神戸空港と国際便の関係整理が進展すれば、神戸空港やその周辺の追加投資に対する議論も活発化するだろう。施設計画に加えて、国、兵庫県、神戸市、関西エアポート神戸や神戸新交通といった関係者の間で財源の配分も検討する必要もある。特に神戸市が株式の7割強を握る神戸新交通については、財界からの出資を強化する第三者割当増資や、神戸市による株式売却といった、さまざまな議論が交錯する可能性もある。さらに現在は空き地である神戸空港島内の土地も、将来の価格上昇に期待が高まるとみられる。
(神戸経済ニュース 山本学)

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