自動運転「陸海空すべて」めざす産官学連携の組織設立へ 神大・神戸市など中心

20190428陸海空パネル

 自動車、船舶、航空機といった陸・海・空すべての移動手段を対象にした「自律運転」システムの構築をめざす産官学の連携組織が神戸大、神戸市、名古屋大を中心として今秋までに設立される。クロスメディアイベント「078」の一環として神戸市中央区で開いた討論会「『3次元都市神⼾』陸・海・空のシームレスな移動と輸送」で、神戸大の玉置久教授(システム情報学)が明らかにした。自動運転に加えて、他の車両や人との協調などを重視する自律的な移動体(乗り物)を模索し、次世代の街づくりにも生かしたい考えだ。(写真は討論会の様子、右から4人目に玉置氏)

 玉置氏は「自動車の自動運転、自動走行の技術はかなり進んでおり感服するばかり」とする一方で、「海を隔てた場所から六甲山に行きたい人が現れたら、船も候補になるだろうし、今後はドローンで人を運ぶことも出てくるかもしれない」という。さらに通常は人が設定した目的地まで人を運ぶのが乗り物だが、「移動体そのものが目的地を生成することを考えても面白いかもしれない」と話す。「技術を積み上げるコンソーシアム(連携組織)とは色を変えて、夢を語ったうえで、夢が開発課題や技術を引っ張っていくコンソーシアムにしたい」と展望を語った。

 現時点で仮の名称は「自律運転システム・コンソーシアム」とした。9月ごろには研究課題などを明確化して連携組織を「お披露目」。来年開催する「078」には神戸大が積極的に関与する形で、実証実験を出展する計画だ。当面は企業パートナーの募集などを進める。実証実験に向けては、システム情報学の観点から都市のあり方について研究する「アーバンデザインセンター神戸078」(UDC078、藤井信忠センター長)とも連携する。

 このほか討論会では、神戸自動走行研究会(代表・みなと観光バス=神戸市東灘区)や日本総合研究所などが神戸市北区の筑紫が丘で実施した、地域交通として自動運転技術を活用する実証実験の結果や、神姫バスが理化学研究所の播磨事業所(佐用町)で実施した自動運転バスの実証実験の結果をそれぞれ報告した。

 討論会には玉置氏に加え、自動車新聞社(神戸市中央区)の井上佳三代表、神戸市都市局の竹本真也・担当部長、神姫バスの中野悠文・次世代モビリティ推進課長、スウィフト・エックスアイの福岡賢二社長、みなと観光バスの松本浩之社長、日本総研の武藤一浩マネジャー、名古屋大学の森川高行教授がパネラーとして出席。司会はモビリティジャーナリストの楠田悦子氏が務めた。

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