川重など、世界初の液化水素用「ローディングアーム」開発 神戸空港島に設置へ
- 2019/04/18
- 21:36
川崎重工業と東京貿易エンジニアリング(東京都中央区)、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、日本船舶技術研究協会(東京都港区)は18日、世界で初めて液化水素を船舶に積み降ろしする陸上設備「ローディングアーム」(写真=川重提供)を開発したと発表した。2020年度に予定している、オーストラリアから日本に液化水素を輸入する実証試験で使用。神戸空港島(神戸市中央区)に建設している液化水素の陸揚げ拠点に据え付ける。
断熱性の高い真空二重構造のパイプを備え、マイナス253度と超低温の液化水素が通過しても周囲を冷やして液体酸素を発生させることがないようにした。向きを変えられるパイプの継ぎ手も、分子が小さい水素を通さない密閉性能を持ち、水素運搬船の停泊位置が動いても対応できる。積み降ろしの最中に津波などの緊急事態が発生した場合に備え、短時間で配管を閉じて船体から切り離すことができる機能も搭載した。
液化天然ガス(LNG)用のローディングアームで経験が豊富な東京貿易エンジニアリングと、液化水素関連の設備を手がける川重が開発を担当。船舶の関連技術を持つ船舶技研協が全体を統括した。ロケット燃料として液化水素を取り扱うJAXAの能代ロケット実験場(秋田県能代市)で40万回の反復回転動作を実施し、安全性と耐久性を確認した。
川重は神戸工場(神戸市中央区)で水素運搬船を建造中。年内にも進水する見通しだ。20年度の実証実験では、オーストラリアから液化水素を運搬した水素運搬船が、神戸空港島で川重、岩谷産業、電源開発(Jパワー)が進める水素輸入拠点に到着した後、タンクからの配管を今回開発したローディングアームに接続して液化水素を荷降ろしする。
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