(解説)神戸空港の増枠、なお国際線が焦点か 関空BCPの視点どうする?

20190418神戸空港

 5月に開催がずれ込むとの見方が出ている関西3空港懇談会では、依然として神戸空港と国際線の関係整理が焦点になるとみられる。懇談会の事務局を務める関経連の松本正義会長(住友電工会長)は15日の定例記者会見で神戸空港について、向こう1〜2年の短期では神戸空港に国際線の就航を認めない案を軸に調整を進めていることを認めた。ただ、関西3空港懇談会が昨年12月に8年ぶりに開かれたきっかけは関西国際空港が台風の影響で機能停止に陥ったこと。関空の事業継続計画(BCP)を考えたとき、国際線の機能分散は外せない議論だ。(写真は神戸空港=資料)

 関経連の松本氏は記者会見で、神戸空港に1日10往復分の発着枠を追加し、稼働時間を午後11時まで1時間延長する案を軸に調整を進めていることを説明。神戸空港は2006年の開港時、一部に根強い不要論があったうえ関空の経営に配慮して、国際線を就航させず、午前7時から午後10時までとし、1日の便数も60便(30往復)に限るといった運用規制を実施することが「地元の合意」ということになっていた。この合意を初めて見直す形だ。

 関空の経営のために神戸空港の機能を抑制する、という流れに変化が表れたのは昨年9月に台風で滑走路が冠水したほか、ターミナルビルが停電するなど関空の機能が停止したことだ。むしろ神戸空港不要派だった大阪府の松井一郎知事が、神戸空港による関空の機能代替について言及。高速艇「ベイシャトル」を活用して、関空に取り残された人を神戸空港に避難させたうえ、神戸空港の便利さも含めてネットで話題になったことなども、神戸空港を活用する機運を高めた面がある。

 従って神戸空港にも一定程度の国際便を就航させ、普段から国際便を受け入れる態勢があれば、関空がいざという時にスムーズに神戸空港がバックアップに入れるはず、というのが3空港懇談会が8年ぶりに開催された発端の議論だったはずだ。もちろん、神戸空港に国際便を就航させるとなると国際線ターミナルの整備なども含めてゼロからの整備になる。場合によっては新交通システム「ポートライナー」を、新たに建設する国際線ターミナルまで延伸するといった大がかりな対応も求められ、時間はかかるだろう。だが、中長期的にみれば、神戸空港での国際線の扱いこそ、関空のBCPにとって避けて通れない議論だ。

 便数や時間数はなお流動的のようだが、当面の増枠と運用時間延長は、ひとまず現在の神戸発着便の混雑緩和などにつながると評価できる。神戸・姫路などを拠点にする会社や地元住民にとって、神戸空港が便利になるのは歓迎したい。さらに、それを関西全体の発展につなげるには、やはり国際線を含めた中長期的なビジョンを、何らかの形で示す姿勢を見せることが重要だろう。台風などの災害が多い日本にあって、国際航空便の運航に信頼度が高まるのであれば、もちろん関西への訪日客のさらなる誘致に寄与する。事務局としての関経連の手腕に注目したい。
(神戸経済ニュース 山本学)

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