住友化、飼料添加物「メチオニン」を神戸港に海上輸送 住友倉などと計画
- 2019/04/17
- 22:54
住友化学は輸出する飼料添加物メチオニンの大部分を、生産拠点の愛媛工場(愛媛県新居浜市)から神戸港まで海上輸送する。輸送について住友倉庫、「オレンジフェリー」を運航する四国開発フェリー(愛媛県西条市)と共同で計画。国土交通省から総合効率化計画として認定を受けたと、このほど発表した。陸上輸送する場合に比べ、二酸化炭素(CO2)排出量やトラックドライバーの労働時間などを大幅に削減できる。
3社で計画したのは、メチオニンを愛媛工場から新居浜港まで20トン車で運び、その後を船舶での輸送に切り替える経路。新居浜港からフェリーでトラックごと神戸港に運び、神戸港で海上コンテナに製品を詰め込むケースと、新居浜港で海上コンテナに詰め込み内航コンテナ船で神戸港の外貿コンテナターミナルまで直接届けるケースを想定した(図=住友化学提供)。
愛媛工場~神戸港の約250キロメートルを10トン車で陸上輸送する場合に比べ、同じ量の製品を輸送してもCO2排出量は約55%、トラックによる輸送量を94%、トラックドライバーの労働時間を約91%、それぞれ削減することができるという。これを国交省も評価した。
メチオニンは動物の体内で合成できず、エサを通じた摂取が必須になるアミノ酸の一種。主に鶏の飼料で添加物として使う。世界的な人口増や食肉志向の広がりなどで、年6%程度と急速な市場の成長が見込まれている。このため愛媛工場では昨年10月に年間の生産能力を約15万トンから約25万トンに強化。かねて住友化は海上輸送を重視してきたが、増産分は新居浜〜神戸を陸送していたことから、物流2社とともに改めて海上輸送の計画を立てたという。
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