神戸製鋼、抗菌めっき「ケニファイン」でサブライセンス権 燕市の高秋化学に
- 2019/03/28
- 23:34
神戸製鋼所は28日、同社が2001年に開発した抗菌めっき技術「ケニファイン」について、同技術の利用を許諾できる権利(サブライセンス権)を高秋化学(新潟県燕市)に供与すると発表した。高秋化学は同技術のライセンス利用社の1社だったが、同技術を活用した製品開発を多様に手がけており、サブライセンス権によって同技術の一層の発展が期待できると判断した。
神戸製鋼がケニファインでサブライセンス権を設定するのは初めて。抗菌塗装や抗菌ステンレスなど他の抗菌技術と比較し、10倍以上の減菌スピードと、その後の菌の増殖を抑える効果がある高機能ニッケル系合金めっき技術だ。高秋化学は02年にケニファインの技術を使用するライセンスを神戸製鋼から取得し、ぬめり防止プレート、藻が生えにくい水耕栽培用の資材、抗菌粉末を利用した柔道畳(写真=神戸製鋼提供)などを開発した。
ケニファインは01年の開発以降、抗菌に対する関心の高まりを受けて食品、医療、家電といった産業分野や台所用品、ペット用品といった日用品などに活用されている。最近では粉末の開発で、塗装・スプレー、印刷分野にも用途を広げ、ライセンス取得社も14社に増えた。ライセンスの許諾を高秋化学と神戸製鋼の2社で実施することで、対応も円滑になるとみている。
ライセンス保持者としての神戸製鋼の立場に変更はない。包装用資材などフィルム状の製品に、薄膜化したケニファインをロール状の機械を使って貼り付ける「気相方式」を使った加工についてのライセンス供与は、引き続き神戸製鋼が直接供与する。
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