(解説)カラオケ発祥、ジャズの中心 「あなたが知らない?」海外から見た神戸

 神戸は、カラオケが発明された街--。神戸に住む人が、神戸の街を誰かに紹介しようと思ったとき、これを最初に紹介することは珍しいのではないか。だが海外からみると、必ずしもそうではないのかもしれない。14日まで神戸市内で国際会議を開催したインターネット上のアドレスやURLを管理する非営利組織「ICANN」(米カリフォルニア州)は、神戸を訪れる人向けに「神戸について、あなたが知らない10のこと」(Ten Things You Didn’t Know About Kobe, Japan)と題した英文の神戸紹介をホームページに掲載。ここで最初に掲げていた。

 カラオケの発祥には諸説あるようだが、カラオケのビジネスで最初に成功したとされるのは、西宮市の井上大佑氏だというのが通り相場だ。米有力誌タイムで1999年に、「今世紀に最も影響力があったアジアの20人」に同氏が選ばれたことで有名になった。神戸で流しのミュージシャンをしていたとき、客に歌の伴奏を依頼されたのが発明のヒントになったため、神戸がカラオケの発祥地だという。ICANNのホームページに掲載された神戸の紹介文も、タイム誌の記事をもとに紹介していた。

20190317ICANN64開会式前

 ICANNによると、紹介文を作成したのは米国人の元ジャーナリストでICANN専属のライターだという。残念ながら今回は神戸を訪れなかった。神戸観光局からは、特に紹介文作成のための情報提供はしていないということだ。「あなたが知らない」神戸であるから、少し違った視点からの神戸紹介をねらったとみられる。だが、欧米ではカラオケが、どこで作られたものか普段は意識しないほどに浸透しているからこそ、ということだろう。神戸ではカラオケが他の都市と同様に充実していて十分に楽しめるが、もし「カラオケ発祥地」が欧米からの訪日客に訴える力を持つのなら、それを意識した観光の展開があり得るのかもしれない。

 一方、9番目に挙げられたのは「ジャズシーンの中心地」だ。第2次大戦前の1923年に神戸では、日本で最初のジャズバンドができたことが引用された。問題は今どうかだが、確かにそういう側面がなくはない。音楽の幅が広がり昭和時代ほどジャズファンの数は多くないとはいえ、神戸市中央区の北野町近辺では老舗ジャズクラブを中心に、いわゆるジャズのライブハウスが軒を連ねている。これだけ狭い範囲にジャズの生演奏だけを聞かせる店が集積している場所は、世界的にみても希少なのではないか。もしかしたら、もっと国内外にアピールできるポイントかもしれない。

 そして10番目に挙げられていたのは、結局のところ神戸ビーフだった。「世界的に有名な神戸ビーフは、但馬という山岳地帯(mountain area)の名前が付けられた地域限定の黒毛和牛から取れる」という豆知識だが、神戸ビーフに触れないわけにはいかなかったのだろう。神戸市の久元喜造市長はICANNの国際会議の開会式であいさつし、「Kobe is not just Kobe beef city」(神戸は単なる神戸ビーフの街ではありません)と話して会場の笑いを誘っていたが、神戸ビーフの街というのは久元氏が掲げる「食都神戸」にも沿った話でもある。ここまでくると、神戸の街中を牛がウロウロしているわけではないことぐらいが伝われば、ちょうど良いのではないかという気もしてくる。(写真はICANNの開会式を待つ参加者ら=神戸市中央区のポートピアホール 、11日)
(神戸経済ニュース 山本学)

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