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(解説)18年の神戸港、輸出入が過去最高も曲がり角か 輸出は2カ月連続で減

20190124貿易統計18年12月

 神戸税関が23日に発表した2018年の貿易統計(速報)では、神戸港の輸出入総額が前年比4.4%増の9兆2615億円と、07年以来11年ぶりに過去最高を更新した。地域別では中国を中心としたアジア向けの貿易が輸出、輸入ともが過去最高。ただ、台風が相次いだ9月に次いで、12月も輸出入総額が前年比で減少。18年の過去最高は年前半の貯金で年後半の減速を補った形で、好調だった輸出入が曲がり角を迎えた可能性がある。

 12月の輸出入総額(速報)は前年同月比4.7%減の7682億円と、3カ月ぶりに減少した。このうち輸出額は6.0%減の5033億円と2カ月連続の前年比減になった。輸出品目でみると中国向けなどの「半導体等製造装置」が44.7%減、米国向けなどの「有機化合物」が28.7%減と、貿易摩擦で応酬が続く米中向けの品目が目立った。地域別でみると、中国向けの輸出額は11.4%減の1160億円、米国向けは5.9%減の816億円だった。

 神戸税関によると、中国向けの輸出減が目立った「半導体等製造装置」は多くが、液晶ディスプレーパネルの製造装置だという。年前半の中国向けの輸出をけん引してきた品目だ。減少の背景には、スマートフォン(スマホ)の需要減速が挙げられる。主力のスマホ「iPhone」の販売不振で、米アップルが18年10〜12月期の業績予想を下方修正したのが象徴的だ。生産調整も伝わっており、スマホの主要部品である中小型の液晶パネルの需要が弱まった。

 中国向けの化粧品を中心とした「精油・香料および化粧品」の輸出は前年比31%増の100億円で、12月としては過去最高を記録。依然として好調な推移が続いている分野もあるが、全面的に輸出が絶好調とは言いにくい情勢になってきたのは事実だ。米中貿易摩擦の影響かどうかは判然としないとはいえ、11月に2.1%減、12月に6.0%減という連続した輸出の減少は、誤差の範囲というには大きいといえそうだ。

 たしかに神戸港の輸出入総額が全国に占める割合(国内シェア)は5.6%にとどまる。輸入のみでみても国内シェアは7.1%どまり。ただ、西日本各地からの輸出貨物を神戸港に集貨して、神戸港から輸出する取り組みが継続。食品から自動車まで取り扱う品目に幅があり、指標性を指摘する声もある。海外景気が今後さらに冷え込むのかを見極めるうえでは、海外の経済統計などと同時に、需要を映す鏡として神戸港の貿易統計にも注目しておく必要がありそうだ。
(神戸経済ニュース 山本学)

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