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(回顧2018) MICE 全国・世界への発信地として必要なものは何か



 国際会議や見本市などMICE(Meeting=研修・セミナー、Incentive tour=報奨旅行、 Convention=会議、Exhibition=展示会の頭文字)にまつわる話題を2つ挙げるなら、新神戸駅限定販売のみやげ物「医学会に行ってきました」の発売と、「第31回国際電気自動車シンポジウム・展示会&EV技術国際会議2018」(動画は試乗会)の開催だろう。いずれも神戸でMICEが順調に伸びたことを示している。ただ、同時に浮き彫りになった課題も少なくない。

 「医学会」専用のみやげ物が発売されたのは、もちろん神戸が医学会の開催地として人気があるためだ。西日本からも東日本からも人が集まりやすいという神戸の地の利が生かされた。医療サービスの特徴は他の産業などに比べ、東京1局集中の度合いが低い。医大や国立大学の医学部は全国にあり、医療の需要も全国に分散している。こうした需要を集めた半面で、医療以外の経済や法律といった、比較的東京に集中しやすい分野の会議をどう誘致するか、というのは引き続き課題だろう。

 電気自動車の国際会議・展示会は、日本では2006年の横浜以来12年ぶり3度目の開催。水素をエネルギー源とした市街地への熱電併給を初めて実施するなど「水素社会」の先進都市という神戸の地域特性を生かした行事だった。しかし結果的に発信力の弱さが改めて印象付けられたのではないか。トヨタとソフトバンクが「次世代の移動体」について提携すると発表したのは、まさに電気自動車の国際会議が神戸で閉幕した翌日、東京でのことだった。

 開催初日の試乗会などが台風のため中止になる不運があったにせよ、発表の場所として、まさに将来の自動車についての国際会議を開催中の神戸が選ばれなかったのは残念だし、原因を分析する必要がありそうだ。また同国際会議に併催した展示会では、展示スペースの狭さも改めて課題になった。コンベンション施設の更新を求める声は神戸の財界にも少なくない。

 水素という観点では5月に開かれた「国際水素・燃料電池パートナーシップ」(IPHE)の国際会議も思い出される。やはり水素社会をめざすうえでの象徴的な場所として神戸が選ばれたのにも関わらず、神戸経済ニュース以外のメディアを見かけなかったのは、記者クラブ頼みの広報体制にも問題があったに違いない。

 いまどき、この手の分野の世論形成はテレビや新聞といった既存メディアではなく、NPO(非営利組織)や専門媒体といったネットが主戦場の非記者クラブ団体のほうが、より大きな影響力を持つケースも多い。記者クラブの有力社と仲良くさえしていれば、記事に取り上げてもらえるという安易な気持ちはないか。情報発信に対する会議主催者や誘致機関の意識改革も求められる。
(神戸経済ニュース 山本学)

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