西和彦氏「なんでもアリが戦後の高成長につながった」 神戸商工会議所で講演
- 2018/11/28
- 00:27
東京大学大学院工学研究科の西和彦IoTメディアラボラトリーディレクター(須磨学園学園長、写真)は27日に神戸商工会議所で講演し、第2次大戦後の日本の高成長は「敗戦国日本の社会の空気が、制限を加えていなかった」と指摘。「なんでもアリ」という空気が個人の可能性を最大限に発揮することにつながり、さまざまな事業を成長させたとの見方を示した。一方で「今の日本は何でも『ダメ』といわれる」ことで、可能性を萎縮させているという。
西氏は「10年後に生き残るための経営戦略〜未来ビジネスに必要な物は何か」をテーマに講演。経営にはタイミングや環境もあるが、経営者の心の持ち方が非常に重要であると話した。そのうえで「できないと思わない」というベンチャー精神が必須だと強調。ガバナンス、CSR(企業の社会的責任)、法令順守よりも、まず「素晴らしいと思う」事業の中身を考えるべきだと語った。
さまざまな制約に縛られた結果、日本の競争力が低下したと西氏は指摘。IT(情報技術)リテラシーの向上と、ITを活用した生産活動をめぐる教育を充実させることで、社会活動を活性化する必要があると強調した。ITの活用で複数の職業を持ったり、働きながら大学院に通うといった「マルチな生き方」もしやすくなる。このため「限られた時間をどう使うかが21世紀の個人に最も求められることだ」と主張した。
西氏は神戸商工会議所が開催した「経営トップセミナー」の講師を務めた。会員企業の経営者や経営幹部など約150人が集まり、西氏の話に耳を傾けた。1956年神戸市須磨区生まれ。1975年に早稲田大学理工学部機械工学科に入学し、在学中にコンピューター関連の専門出版社「アスキー」を創業。設立間もない米マイクロソフトに加わり、極東担当副社長などを歴任した。1989年にアスキーの株式を店頭公開し、当時としては最年少の株式公開会社の社長になった。
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